「チョウディン、賀川氏」

2015/01/08(木)

「チョウディン、賀川氏」

 

 遅ればせなれば、あけましておめでとうございます。

 そして、賀川浩氏(以降、賀川さん)FIFA PRESIDENTAL AWARD 受賞、おめでとうございます。112日、テレビ生中継での授賞式、楽しみにしています。

 昨年、賀川さんから、極めて面白い話を聞けた。賀川さんが生まれた頃の神戸ほかに繋がる昔のサッカー。

 チョウディンの功績である。当時、ビルマ(今のミャンマー)から、現在の東京工業大学の留学生であり、1920年代に滞日。賀川さんの話では、チョウディンはスコットランド人コーチに指導を受けたため、ショートパス戦法を日本国内で指導していたという。

 これが、ドイツ的な広島一中、年長の御影師範に勝てるようになったショートパスが神戸のサッカーとなったとのこと。

 昨秋、牛木素吉郎氏も、チヨウディンの貢献について触れていた。牛木氏曰く、記者クラブでの試合では、賀川さんはテクニシャンであったとのこと。

 知らないことを知ることができることは、楽しい。

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火星に行った日本代表

2013/08/26(月)

 2013年8月24日、僕は、1968年10月24日にタイムスリップしていた。NHKがメキシコ・オリンピック、3位決定戦で日本代表が銅メダルを獲得したフルタイムの映像を放送することになったからである。45年もの歳月を経て、日本国内で初めて紹介されるのである。

 自宅で楽しもうと考えていたところ、僕も会員であるサロン2002の本多克己氏から上映会を実施するとの連絡を貰った。当時、高校2年生であった僕にとっては、知らないことを聞けることを楽しみに感じて、会場に行った。土地勘のない芦屋が会場、道に迷い、大汗をかいて時間に間に合った。目的は、親交のある賀川浩氏の詳細な当時の話を聞けることにあった。そして、やはり、親交のある細谷一郎氏が解説のひとりとして、そこにはいた。

 僕が読売サッカークラブ入りしてサッカー界で活動し始め、メキシコ・オリンピック当時の長沼氏、岡野氏、平木氏、丸山氏、選手の方々とお付き合いができるようになったのは、当時から十年を過ぎた頃からであったと思う。協会の要職にあったり、ライバルチームの監督になっていたので、今回、当時のプレーを見ることができて感慨深いものがある。

 賀川氏の適切で正確な記憶に基づく話により深く興味が増し、細谷氏が最終選考のひとりであったことを知らなくて興味が更に倍増した。釜本邦茂氏のワールドクラスレベルのストライカー、杉山隆一氏の瞬間的なものも含めた速さ、鎌田光夫氏、可愛がっていただいた宮本征勝氏、後に、浦和レッズで上司であった森孝慈氏、横山謙三氏ほかのディフェンスも、大きなインパクトを感じた。

 高校生ながら洋書を読みあさっていた僕は、釜本氏と横山氏がドイツのクラブを中心に、杉山氏がアルゼンチンのクラブからオファーを貰っていたことを知っていたが、賀川氏の話が多過ぎて紹介しきれないが、釜本氏の話で初めて聞くことがあったので、面白かった。
1966年、ロンドン・ワールドカップでイングランドは優勝した。決勝の西ドイツ戦、ジョフ・ハーストがハットトリックを成し遂げ、ハーストの名は世界に轟いた。

 賀川氏から、日本代表がオーストラリアに遠征した時、3戦して1勝1分1敗であったそうであるが、賀川氏の友人であるオーストラリアの著名な記者が、アジアにもハーストと同じレベルの選手がいる、カマモトだとして記事を書いたことを聞き、新鮮にも感じた。実は、僕には大好きなライターがいる。イングランドのBrian Granville(ブライアン・グランヴィル)だ。彼が、1969刊の本の中の一項目で”I was born too early.”、早く生まれ過ぎてしまったね。釜本氏を7ページに渡り特集した。高校生の僕にとっては、世界中のスーパースターの仲間入りをしたものと実感した。後に、恩師的な存在の牛木素吉郎氏が代筆したことを知った。釜本氏を巡るメディアは、凄まじく期待するほどの新星の出現と捉えていたのであろう。

 メキシコのポゼッション率が高く、釜本氏の一発に戦術を取っていたのか、GK横山氏の俊敏なキックやフィードが僕には最も印象に残った。一つ年上の当時はブラジル人であった与那城ジョージ氏に、メキシコ・オリンピックの話をしてみた。何も記憶もないし、興味などなかったよ。ワールドカップは、別だけれどね。これが、当時のサッカー強国とその他との違いであったのかと思わされる。

 日本サッカーの父として知られるデットマール・クラマー氏は、メキシコ・オリンピック後、UEFAチャンピオンズリーグの前身、チャンピオンズカップでバイエルン・ミュンヘンの監督として連覇を成し遂げている。賀川氏の話では、西ドイツ代表選手を6名抱えてタイトルを獲れたことより、無名の日本代表が銅メダルを獲れたことの方が嬉しいと語っているとのこと。

 チャンピオンズカップに優勝することは、”月へ自転車で行くことよりも難しい”、とコメントした名監督がいたが、当時、サッカーがマイナーな日本は、メキシコでは、”火星に自転車で行けてしまった”、のではないかと思ってしまった。

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「U-18フットサル・フェスティバル」

2013/08/21(水)

 

 81日、2日、昨年に引き続き、グリーンアリーナ神戸カップU-182回フットサル・フェスティバルが開催された。親交の深い本多克己氏(株式会社SIX社長)が奔走、尽力して、NPO法人神戸アスリートタウンが県の連盟などの協力のもと主催したものである。

 

 サッカーとは異なる競技として捉えているが、ボールを使い、ゴールを挙げることでミニサッカーとして興味が深い。元々、ヨーロッパ、アメリカ、南米で様々なルールで5人制のミニサッカーは行われてきた。イングランドでは、シーズンオフに水を抜いたプールで行われていたし、ドイツでは体育館で行われていた。スペインやイタリアでも愛好されていたが、オランダで行われていたルールを原型にして、FIFAが統一ルールを確立したのが1994年。

 

 南米では、サロン・フットボールとして、1930年にウルグアイとブラジルで考案され、普及した。これが、フットサルとしての最古なものとされている。ボールのサイズも2号、ボールははずまず、テクニックとスピード、駆け引きと個の力は前提条件であった。

 

 1980年を少し過ぎた頃、僕は、日本サッカーリーグの選手達がサロン・フットボールで披露する足技と駆け引きに魅了されたことがある。セルジオ越後氏、与那城ジョージ氏、ラモス瑠緯氏始めとするブラジル出身の選手たちであった。当時、僕が所属していた読売クラブでは、合宿の折、体育館でサロン・フットボールを行ってもいた。その後、僕も、居住していた都市で長くサロン・フットボールに興じていたこともあった。

 

 FIFAが制定しているフットサルの世界最優秀選手賞に選ばれたことのあるポルトガル代表のリカルディーニョは、名古屋オーシャンズ時代、次元の違う華麗なパフォーマンスを見せてくれた。4回も世界最優秀選手賞に輝いているブラジル代表のファルカン(Falcão)は、FIFA認定の競技の中で、代表での得点数が337と記録されていて驚異的である。

 

 猛暑の最中、グリーンアリーナで観戦している僕は、ペットボトル片手に3時間ほど汗がひかなかった。決勝は、名古屋オーシャンズU-18が作陽高校に2-1で競り勝った。どちらのチームも、テクニック、スピード、コンビネーションなどに優れ、迫力のある試合であったと思う。

 

 そうした中、昨年のエンフレンテ熊本のように、勝ち続けはしないが興味を引き付けるチームを発見して楽しめた。レポナ滋賀である。フットサルだけではなく通常のサッカーでも重要な、足の裏を使う選手が非常に多く見られた。ドリブルやターンして個の勝負をしていて、快感であった。ファルカンもリカルディーニョも左利きであるが、レポナ滋賀の背番号15、左利きの山崎哲也君の柔らかいボールタッチ、駆け引きにも楽しませてもらった。

 

 Jリーグの誕生やフットサルのルール統一時を知らない世代が、成長している。本多氏が、フットサルのU-18の世代の普及、強化に努めたいと語っていることもあり、サッカーとともにフットサルも世界で活躍する時代が到来して欲しいと思った。

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「リべルタドーレス決勝が間近」

2013/07/15(月)

 

 コンフェデレーションズカップのTV観戦で睡魔との楽しい戦いを過ごして、次は、コパ・リべルタドーレス決勝、時差の違いは午前中になることもあって、少しは楽かなと思っている。717日と724日の水曜日のナイトゲームが行われるので、日本時間では、翌日の午前中となるからである。過去、3度、コパ・リべルタドーレスのチャンピオンとなっているパラグアイの名門、オリンピアと初タイトルを狙うブラジルのアトレチコ・ミネイロのホーム・アンド・アウェイは注目の的である。

 アトレチコ・ミネイロは創立105年のクラブながら、同じベロオリゾンチ市にあるクルゼイロの後塵を拝していた。それが、初めてのチャンスを迎えてクラブもサポーターも盛り上がりは尋常ではない。2戦とも入場券が完売であると、報じられている。今大会、優勝候補の筆頭であったリオデジャネイロのフルミネンセを倒して決勝に進出してきたオリンピアの実力は極めて高い。

 一方、準決勝で2戦同スコアで戦いを終えて、アトレチコ・ミネイロはPK戦で勝ち上がってきた。コンフェデレーションズカップで2得点を挙げたCFジョー(Jó)、セレソンでデヴューを飾り2試合に出場した得点能力の高い攻撃的なMF20歳のベルナルド(Bernard)、そして、好調なホナウジーニョ・ガウーショ(Ronaldinho Gaucho)も活躍中である。また、友人である、前セレソンのフィジカルコーチ、カルニーニョス(Carninho)もコンディション作りに貢献していてサポートしたくもなっている。

 FIFA U-20 ワールドカップがトルコで開催されて、フランスが初優勝を飾った。ウルグアイとの決勝戦は、壮絶なせめぎ合いの続きとレベルの高さ、そして、集中力が最後まで途切れず、楽しめたと感じた。そして、両チームのGKの素晴らしいパフォーマンスは称賛に値するものと受け止めている。

 もしかすると、コパ・リべルタドーレス決勝もGKのパフォーマンスが決めてとなるかもしれない。ホームとアウェイでは、南米でも、戦い方が異なってくるからである。オリンピアは初戦をホームで、アトレチコ・ミネイロは第2戦をホームで戦う。個人的な価値観であるが、アトレチコに有利な気がしてならない。

 そんな折、今季のJ1は面白く感じている。大宮がトップを維持していて、日本人FWが素晴らしく得点を重ねている。予想していた人は、少なかったのであろうか。佐藤寿人選手は選ばれることはなかったが、東アジア選手権での、彼らの活躍を期待したい。

 ところで、J2初参戦の長崎が旋風を起こしているが、以前、紹介したブラジル選手権セリアB初参戦のシャペコエンセが62分けで、やはり、トップに君臨している。サッカーは、何が起こるか分からない。そして、面白い。

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「シャペコエンセ」

2013/05/28(火)

 

 バイエルン・ミュンヘンがUEFAチャンピオンズリーグを制覇し、ネイマールがバルセロナへの移籍を発表した世界中が注目するニュースが駆け巡った。メッシとネイマールが共存する来季のバルセロナが楽しみで仕方のない人は多いと思う。

 ヨーロッパでも、各国のリーグチャンピオンが決定しシーズンも終えたり、終えかけたりしているが、ブラジルでも、519日、各州のリーグが終了し今季のチャンピオンが決定している。友人のカッシウス・アットマンがエグゼクティブ・ダイレクターを務めるゴイアスECも友人でコーチとして指導しているアウミール・ドミンゲスが所属しているヴィトリアECもバイーア州リーグ優勝を成し遂げている。一方、コパ・リべルタドーレスでボカ・ジュニアーズに敗退したコリンチャンスも、宿敵サントスFCを退けサンパウロ州の覇権奪取に成功した。サンタカタリーナ州では、興味を覚えるシャペコエンセ(Associação Chapecoense de Futebol) は、残念ながら、準優勝にて終了した。

 翌週から、ブラジル選手権(Campeonato Brasileiro) セリエA,B が開幕して全国レベルのシーズンが開幕した。セリエBは、セリエA開幕よりも一日早く524日に開幕。気になるシャペコエンセは、初めてのセリエBに挑戦し始めて、アウェイでのゲームを4-1で勝利し幸先の良いスタートを切った。

 シャペコエンセというクラブに知り合いはいないが、クラブがあるシャペコー市(Chacopé) 1年少し前、10日近く滞在した。シャペコー出身の在日ブラジル人を訪ねた滞在であったが、多くの友人、知人と知り合えた。リオ・グランジ・ジ・スル州境に近い人口19万人弱の都市ではあるが、鶏肉産業、輸送産業、それに伴う大型トラック産業でブラジル国内でも有数の富裕な都市として知られている。大学も5つあり、落ちついた都市として気に入った。そして、生まれ育ったさいたま市以前の浦和のような雰囲気にも似た印象も感じていた。シャペコエンセのスタジアムは、市内の住宅地にあり、収容能力は15,000人。駒場陸上競技場の立地条件と似ているが、サッカー専用のスタジアムである。

夜になると、クラブカラーのグリーンでライトアップされたスタジアムは、街のシンホル、誇りのようで幻想的で美しかった。

 世界に知られているビッグクラブだけではなく、このようなシャペコエンセにも興味が尽きない、幸いにして、シャペコエンセのセリエB の開幕戦をパソコンにて生中継で観戦できた。国際的なスター選手はいないものの、試合は面白く堪能できた。

 そんな折、ブラジル、パラナ州、コリチーバ市でサッカー活動をしている友人のマソード・イーロス(Mathodo Eros) 氏と話をした。実は、イーロス氏の自宅に2年間、ホームステイしコリチーバFCなどでプレーしたことのある岩崎陽平選手の話題になった。新潟アルビレックスにも所属したことのある選手であるが、現在、サンパウロで次のクラブを模索しているとのことであるが、知人が始めたサッカー専用動画サイト、Players Post, http://www.players-post.com/ にて、彼自身のプレーを自己紹介している。

 昨今、クラブユースや高校総体の予選なども誘われて観戦もした。面白い選手を見つけたし、シャペコエンセだけではなく、様々なレベルで興味を持てる選手とも知り合いたい。

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「ボールは丸い」

2013/04/24(水)

 

 ボールは丸い(Der ball ist rund.)”、日本サッカーの父とも言われるドイツ人のデットマール・クラマー氏の数多くの名言のひとつであるが、昨今、この言葉が頭の中をよぎっている。試合は、行ってみないと分からない。クラマー氏が日本代表のコーチとして招聘された時、僕は小学生の低学年であったので、日本サッカーへの貢献度については、その後、知ることになった。そして、その後、僕がサッカー界で仕事をすることになり、お会いする機会を持てたことは幸運であった。

 今般、さいたまダービーに頗る興味を抱いていた。さいたま市、旧浦和市で生まれ育ち、浦和と大宮の文化、歴史、プライド、価値観の差異など、幼少の頃から独自性が二分されていたように今でも感じているからでもある。浦和レッズにも在籍した時代もあって、試合は思いの外、素晴らしいものであったと思う。NACK5スタジアムが超満員で、両チームのサポーターの熱き応援はヨーロッパや南米のダービー、クラシコを彷彿とさせる雰囲気を作り上げていたと感じている。

 結果は、好調同士の対戦でありながら、僕の生まれ育った隣町の大宮アルディージャが勝利して、J1の連続試合無敗記録を樹立した。ポゼション率は浦和レッズが勝っていたと思うが、大宮アルディージャのベデルニック監督の対戦相手の分析に基づいた運動量の多さと至る所でもハードにマンマークを敢行、自チームのストロングポイントである高さも活かし、ズラタンの高い能力をも活用して勝利に導いた。やはり、ボールは丸いことを、証明した素晴らしい試合であったと思う。

 一方、ヨーロッパのチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ、バイエルン・ミュンヘンがFCバルセロナに4-0の完勝というよりも大勝をテレビ観戦した。ベデルニック監督とおなじことを、ユップ・ハインケス監督もコメントしている。分析と自チームの運動量、ハードマーク、そして、ストロングポイントである高さを活かせた、と。ポゼションはバルサに及ばなくても、勝つ方法を信じていたようである。やはり、ボールは丸いことを立証させた。両監督とも、老練である。

 話は変わってしまうが、昨今、アメリカンフットボールの世界で驚かされるニュースを眼にした。アメリカ合衆国で長い歴史のあるナンバー1の人気スポーツであるプロのNFL、デトロイト・ライオンズに変わった逸材が登場することになったことである。28歳のノルウェー人、ハーバード・ルグラン。190cm、身長はあるものの、アメリカンフットボール経験では素人である。キックの精度が素晴らしくて、動画サイトで自身のキッカーとしての映像を投稿した所、反響が凄く、ふたつのチームからの練習参加を要請された。結果はネガティブなものであったが、ライオンズが目を付け、特訓をして、3年契約15千万円で契約したというのである。今年のシーズン開幕の9月に向けてトレーニングに余念がないという。NFLのボールは楕円であるが、ボールは丸い、何が起こるか分からない、シンデレラストーリーである。

 昨今、知人が運営する会社で”Players Posthttp://www.players-post.com/” という日本初のサッカー専用動画サイトがスタートしている。現時点では、投稿が始まったばかりであるが、これから、”Players Post” が認知されていくに従い、今後、サッカー界でも、国内外の知られていなくてもポテンシャルのある選手の発掘や発見にNFLのルグランのようなことが起こり得ることと期待している。

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「ワールドカップ会場お披露目」

2013/04/02(火)

 

 2014年ブラジル・ワールドカップ会場のスタジアム、Arena Fonte Nova(アレーナ・フォンチ・ノーヴァ)が、初披露、こけら落としが間近となっている。バイーア州都サルバドール市に、新設されたスタジアムである。オランダのアムステルダム・アレーナから情報を集め、類似して建設されたスタジアムである。観客席の殆どが屋根に覆われた巨大なスタジアムは、素晴らしく美しく、数万人を集めることができる。今年のコンデレーションズカップの会場にもなるし、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでも、サッカー会場のひとつとして、ブラジリア、ベロ・オリゾンチ、サンパウロと、リオデジャネイロ市以外で開催される男女サッカー競技の会場にもなっている。

 バイーアのリーグ戦が始まっている。ECヴィットリアでコーチをしている友人のアウミール・ドミンゲスと、テレビ電話で会話を続けている。彼と話をしていて、今週の47日、ECバイーアと、バイーア州の最大のダービーマッチをアレーナ・フォンチ・ノーヴァのこけら落としで対戦することを聞いていた。アレーナ・フォンチ・ノーヴァは、セレソン、ブラジル代表とECバイーアがホームゲームとして使用していく。

 今年のコンフェデレーションズカップで、日本代表がこのスタジアムでプレーするとしたならば、三位決定戦でしかないが。ブラジルの中でも大都市のサルバドール市であるが、80年程、クラシコ、ダービーは熱い戦いが続いてきた。3戦無敗のアウェイチームとなるECヴィットリアと、12分け無敗のECバイーアが対戦する試合は、入場券の売り上げが好調であるという。

 アレーナ・フォンチ・ノーヴァは、入場券の58%をバイーアのサポーターに、42%をヴィットリアに用意していると聞く。町を二分する試合も、ホームアドバンテージが適用されている。この試合、新スタジアムのご披露もあるけれど、クラシコにも注目したいと興味が尽きない。

 一方、サンパウロリーグで驚くべく試合があった。名門パルメイラスが人口僅か5万人程のアレーナ・フォンチ・ノーヴァの収容能力よりも少ないミラソル市にあるミラソルFC2-6の大敗を喫してしまったことである。ミラソルは名古屋グランパスで活躍している田中トゥーリオが下部組織で活動したクラブではあるが、大きなクラブではない。パルメイラスは補強に精進しているが、結果に表れていない。しかしながら、マイナーなチームがジャイアントキリングをすることもサッカーである。

 Jリーグも、一部、二部、どちらも、大量得点での試合もあるが、サッカーは至って予想を裏切ることも多い。ECバイーアとECヴィットリアのダービーマッチが、新設のアレーナ・フォンチ・ノーヴァのこけら落としで行われる試合に興味を覚えつつ、Jリーグの試合を楽しみたいと思っている。

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「頭脳的なファインゴール」

2013/03/08(金)

 

 ACLJリーグも開幕して、日本国内でも新しいシーズンに入りサッカー観戦を堪能している人が多いと思う。UEFAチャンピオンズリーグやヨーロッパを中心とした海外の試合に比較すると、時差との戦いがない国内の試合は快適でもある。

 ゼロックス・スーパーカップで開幕し、サンフレッチェ広島の佐藤寿人選手の素晴らしいボレーシュートでのゴールが目に焼き付いて忘れられない。しかし、僕にとっては、プレミアでハットトリックを成し遂げた香川真司選手の2点目のクールなゴールが記憶と感動のトップとなっている。GKの動きを見ながら、嘲るような軽いタッチでゴールしたシーンは、ゴールを挙げるための最高の施策であるしプレーであると思っている。

 ブラジル代表やマラドーナとナポリでプレーした元柏レイソルにも在籍したことのあるカレッカと、ブラジルで、一日中、ビールを飲みながら親交を温めたことが思い出されていた。カレッカは数多くの得点を挙げたが、豪快なシュートによる得点よりも、GKのポジションを見てから蹴るシュートが得意であったという。蹴ると言うよりも、ゴールにパスするようなものである。ジーコからも、同様な話を聞いたことがあった。テニスが得意のカレッカは、相手コートのスペースを突くショットをするように、ゴールする前にGKのポジションを見ていたのである。それを、香川真司選手が魅せてくれて、今年、最高のゴールであると感じてしまっている。

 先日、イタリア人の友人とACミランのエジプト人の血を継ぐエル・シャーラウィとガーナ人の血筋を受け継ぐマリオ・バロッテッリの話題になった。2選手とも若く、そして、イタリア代表としても活躍し始めている。タイプは異なるものの、スピードや身体能力の高さは素晴らしく高い。しかし、辛口のイタリア人の友人は、エル・シャーラウィもバロテッリも歴史を変えるようなスーパーな選手にはならないと話していた。能力は認めるものの、決定力が足らない、メディアが喜ぶ存在でしかないと説明されてしまった。このような話を聞きながら、やはり、香川真司選手のあのゴールは素晴らしかったのであると思い返していた。

 ブラジルのサッカー関係者としばしば、テレビ電話で情報交換をしている。日本で活動したことのある人物も多く、Jリーグや日本代表への興味も深い。僕は、WBCに出場したブラジル代表が、かつてのサッカー日本代表のような印象を受けたことも伝えた。しかし、野球に興味のないブラジル人たちは、WBCの存在も自国の代表が健闘していることも知らなかった。

 ブラジル人の彼らと話をしていて、僕に期待できる若手選手は、Jリーグの中で誰かと問われた。鹿島アントラーズの柴崎岳選手の名を挙げたが、彼らは見たことがない。しかし、セレッソ大阪の柿谷曜一郎選手が楽しみであると応えると、彼は良いとの反応があった。ふたりとも、ミスが少ないし、次を読む力がある。セレッソで監督として柿谷選手を指導したことのある都並敏史氏とも話した。現在のヴェルディからも若い世代が育っているが、同氏とは読売サッカークラブ時代から長く付き合い、活動も共にしてきた時代がある。同氏は、読売育ちからしても、柿谷選手が見せる異次元の才能を感じていたそうだ。

 セレッソの関係者、メディアの人々からの評価も高い。これらふたりの選手にも注目して、明日からもリーグ戦が楽しみである。

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「カルチョット」

2013/02/20(水)

 

 先日、久し振りにフットサルをしたが、隣のコートで面白い光景を目にした。試合に出場していない子供たちが、コート外でボールに興じていた。小学生の低学年らしい3人が、ひとりがキッカー、ひとりがGK、そして、もうひとりが審判をすると言いだしてゲームが始まった。技術レベルがどうのこうのということではなく、少年たちの創造性に癒された感じがした。

 ロクさんの愛称で親しまれた高橋英辰氏を、思い出していた。日本代表や日立製作所(現在の柏レイソル)で監督として、輝かしい実績を残した人物である。素晴らしい選手でもあったと聞いているが、残念ながら、世代の違いもあり、実際のプレーは見ていない。同氏が日本サッカーリーグ総務主義の要職にあった頃、とても可愛がって頂き、多くのことを学んだ。ロクさんがドイツ滞在中の思い出話のひとつとして、上述と同じような光景を話してくれたことがあった。ドイツのホテルの中庭に、「3人の少年がいた。何の気もなしに眺めていたら、サッカーに興じ始め、キッカー、GK、審判と、それぞれがポジションを変えていた。」そうである。創造力が面白いと、聞いた。ロクさんは、お年を召しても常に、車のトランクにゴルフバッグは入れず、スパイクを4足は入れていてサッカーを愛していた。ロクさんの話を聞いていたので、フットサルコートのなにげない光景に癒されたのである。

 先日、旧知のイタリア人の友人、マリオ(Graziano Mario Sforza)から、カルチョット(Calciotto, Calcio a 8)が面白いし聞いた。イタリアでも、フットサル(Calcetto, カルチェット)は盛んであるが、より人気のあるものがカルチョット(Calciotto, Calcio a 8)であることを知った。正規のサッカーコートの半面ほどのピッチで、8人制であるがサッカーに近いものと言われた。マリオは、攻撃的ボランチでプレーしていて、その楽しさを喜々として語っていた。

 カルチョットにはプロはないが、イタリア全国でリーグ戦が展開されている。14チームで構成されるセリアA40チームで構成されるA2、そして、Bを含めると150を超えるチームがカルチョットを楽しんでいるという。日本でも、ソサイチという8人制のミニサッカーが普及している。先日、フットサルの普及に尽力している友人の本多克己氏も、ソサイチを楽しんだという。

 日本でソサイチと知られるスポーツは、ブラジルでは、Futébol 7 Society, Futébol Soçate と称されていて、7人制である。全国及び各州で、ソサイチが行われている。

2011年には、イタリア、ドイツ、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビア、ペルーの8カ国によるワールドカップも開催され、イタリアがブラジルを3-2で勝利して初のチャンピオンに輝いている。

 ソサイチは、人工芝で行うことになっている。25分ハーフでの試合数が多いため、人工芝が最適である。自分もフットサルを人工芝で楽しませてもらっているが、30年程前の人工芝は不評であった。しかし、今は、快適に人工芝を活用させてもらっている。昨今、自動車のタイヤ製造でダンロップのブランドで知名度の高い住友ゴムのひとと知り合いになったが、自分も楽しませてくれている人工芝の開発、製造、普及に余念がないという。

 Jリーグ開幕も間近となりファンの興味は尽きないと思うが、観戦するだけではなく多くの老若男女が土ではなく天然芝、人工芝でボールと戯れる今後の風景を見たいと思った。ç

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「ラトビア戦の面白い新鮮な観方」

2013/02/08(金)

 

 時差はあるものの26日、世界各地で代表チーム同士の国際親善試合とアフリカや中米では公式戦も行われて興味深かった。ホームズスタジアムの名称としては公式戦最後の試合、サムライブルーとラトビア代表の試合を友人たちに誘われて観戦した。

 Jリーグやなでしこリーグなどと異なり、関東にいた時とはスタジアムの雰囲気が特別なことのようにも感じた。満員で埋まったスタジアムは、まるでメッシやクリスチアーノ・ロナウドなどのスーパースターを観たいという欲求と同じように、普段、テレビでしか観られないヨーロッパで活躍している日本人選手たちのプレーに熱い視線が注がれていて、少し、異様な感じもした。代表チームへの熱情と期待は、世界中、変わらないなと感じた。

 日本代表は、大半がヨーロッパでシーズン中の選手が出場、コンビネーションなどの問題はあるものの、まあまあのパフォーマンスを見せていた。一方、ラトビアは、国外でフレーする選手も含めて、プレシーズンないしは冬季の中断中の選手が殆どであり、コンディションが整っていない中で懸命にプレーしてくれて好意を感じた。

 試合は、戦う前から日本が勝つものと思われていた。格下の相手であるからと理由。しかしながら、確実に勝利したことは評価して良いのではと思う。友人の波戸岡正章氏という友人と、試合日前後にラトビア戦の話で僕にとっては新鮮な価値観、観方を聞いて面白かった。同氏は、未だ30才の実業家。バウムクーヘンが人気のケーキ店を経営しつつ、他の事業も企画経営、バンドのボーカルもしている多芸多能なフットサル仲間である。贔屓のチームは神戸っ子ゆえヴィッセル神戸と日本代表。日本代表に大量得点で快勝して欲しいと言いながら、ラトビアがどのように戦うか頑張るかにより注目しているとのことであった。弱いチーム、格下と言われるチームの戦い方に経営の仕方や人生を重ね合わせているという。面白く、新鮮な観方であると年少の友人から教えられた。

 ラトビア戦後、スウェーデン対アルゼンチンの試合をテレビ観戦した。得点はしなかったもののメッシは素晴らしいパフォーマンスを見せていて、アルゼンチンはメッシを中心にイグアイン、アグエロ、ディ・マリアなどの高い才能を満喫できた。しかし、両代表の選手は、ヨーロッパの各国でシーズン真っ最中。コンディションに異議を唱えるひとはいないと思う。レベルの高い親善試合であると感じた。

 ブラジル代表は、真夏でプレーしている国内選手の寒さに適用できずにパフォーマンスを充分に発揮できずに、イングランドに敗れた。ブラジルでは、セレソンの試合があっても、国内のリーグ戦、カップ戦は、代表選手がいなくても実施されている。ネイマールは代表に呼ばれていて国内での試合出場が少なくなるが、それでも、メッシばりにリーグ戦での連続得点を続けている。ネイマール不在でも、サントスFCはサンパウロリーグでトップを維持している。エセキエル・ミラレス(Ezequiel Miralles)29歳のアルゼンチンFWがネイマール同様、得点を重ねている。チリのクラブで見出されて、昨年からサントスFCに所属。代表経験はないものの、チームへの貢献度は高い。

 友人の弱いチームであるから何かを感じさせてくれるという観方は新鮮であったが、新たな戦力としての知名度の低い選手の出現も新鮮であると思う。サムライブルーにも、そのような出現を期待したいとも思っている。

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