「更に、新世代」

2012/01/16(月)

 先月、1カ月、ブラジルに滞在していたが、公式戦については、ブラジル全国リーグ(Campeonato Brasileiro)最終節でのコリンチャンスの優勝とJリーグ初優勝の柏レイソルの試合のTV観戦しか実現しなかった。旧知の友人を訪れる旅であったのであるからして、スタジアムに足を運ぶことは二次的であったので仕方のないものであった。

 皮肉なもので、ブラジル時間の早朝に起床して眠気と戦いながらのJリーグの試合をチェックしてしまうことになったが、友人のネルシーニョの快挙に接して嬉しくも感じた。同様に、日本で開催されていたクラブ・ワールドカップも同様に早起きをしなければならなかった。しかし、自宅で独り観戦することとは異なり、ブラジル人の友人たちと一緒に意見交換をしながらの観戦は趣のあるものとも感じられた。

 ブラジル全国リーグの最終節の午前中に、サンパウロFCやブラジル代表で活躍したソクラテス氏が逝去したので、全国の会場で試合前の黙とうシーンは同世代の自分としても感傷的になってしまったことを覚えている。ブラジル滞在中に幸運とも思える試合を何試合がTV生中継を観戦できたことは、別の意味で貴重であったとも感じていた。サンパウロFC1982年のワールドカップでブラジル代表を率いた故テレ・サンターナ監督のメモリアル試合についても、友人のオスカー、ジーコが出場したり、敬愛するジノ・サニ氏が監督を務めたりで懐かしく楽しめた。年末には、モルンピー・スタジアムでソクラテス氏の追悼試合をジーコの呼びかけで行われ、現役のネイマールや怪物、ホナウド、アモローゾ始め懐かしい面々のプレーを見られたが、ジーコとソクラテスの実弟、ハイーの技術の高さと駆け引きには時間が戻ったかの楽しさも享受できた。

 そんな折、今月3日から25日まで行われているU-19のコパ・サンパウロ・ジュニオールの話題を多く耳にしていた。ACミラン在籍のホビーニョもサントスFCのネイマールも優勝できなかった大会ではあるが、今回はふたりが在籍して参加したことのあるサントスFC1984年以来の優勝候補となっている。1993,94,95,96年生まれの若手の大会で、今年は96チームが全国から参加している。次代のスーパースターが出現する大会としても知られている。

 今回は、ネイマールの国外への移籍に関する違約金よりも5万ユーロも高く5,000万ユーロと設定されているサントスFCFW、ヴィクトール・アンドラージ・ドス・サントス(Victor Andrade dos Santos)に注目が集まっている。171cm で小柄ではあるが、ブラジルだけではなくヨーロッパのビッグクラブから12歳頃から注目を集めている逸材。現在、16歳でありながら、バルセロナやマンチェスター・シティなどへの移籍流出を防ぐために2014年までのプロ契約をしたばかりである。スピード、テクニックなどは勿論のこと、ミドルシュートの精度が高く、ペレ、ホビーニョ、ネイマールの再来として騒がれていて活躍している。他にも逸材は多くいるものの、17歳のヴァルディヴィア、本名、ワンデルソン・フェフェイラ・ジ・オリヴェイラ(Wanderson Ferreira de Oliveira)が脚光を浴びている。4試合で8得点。ロンドーノポリス(Rondonópolis)MF、北部のマット・グロッソ州で2006年に創立された新興クラブのU-18のカテゴリー所属の選手である。鋭いドリブルと決定力により、パルメイラス所属のヴェネズエラ生まれのチリ代表MF、本家、ヴァルディヴィアを超えるかもしれないポテンシャルを持つと思われ始めた。

 プロとして成功を収めることが目標のブラジルでは、次々と次代の天才が育っている。日本でも、多くの若年層の台頭、出現を期待したいと思う。

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ブラジルでのクラブ・ワールドカップTV観戦」

2011/12/19(月)

 自分は、今、ブラジルに滞在している。友人のジョゼ・オスカー・ベルナルディ氏が経営しているオスカー・インというホテルに滞在中である。自然に恵まれたリゾート地であるサンパウロ州のアーグア・ジ・リンドイアで、ブラジル時間の今朝、同氏と宿泊者の人々とFCバルセロナ対サントスFCの試合を、一緒にTV観戦した。サントスFCのサポーターがいる訳でもないが、ブラジルを代表するサントスを応援する雰囲気は充分に感じての観戦となった。

 しかしながら、バルセロナが演じたサッカーは、サントスを粉砕するに値する至上のクォーリティを魅せ付けた。ブラジル・サッカーが屈辱を感じてしまうように、バルセロナは世界最高の試合を展開した。

 準決勝のアル・サード戦もオスカー氏と観戦していて、バルセロナが演じているワンタッチ、ツウタッチでのポゼンション・サッカーの素晴らしさを痛感していた。決勝戦のサントス戦、多くのブラジル人は悲観的であった。ネイマールという非凡の天才選手はいるものの、全体的には、バルセロナのサッカーには勝てる気がしないという先入観があった。

 結果は、世界中の人々が、バルセロナのポゼションの素晴らしさを実感したに違いない。ブラジル人の落胆ぶりは、言葉では表現し難い。しかし、バルセロナのサッカーに対しては、すべてのブラジル人が称賛し現実を真摯に受け入れている。

 オスカー氏との付き合いは長いのであるが、最近までスカイプで話をしていても、監督としての現場復帰の気持ちは感じていなかった。それが、今般、ブラジルで一緒にいて、同氏は、もう一度、どこかで監督をしたいという欲求が出てきたという。そんな折、ガンバ大阪の次期監督候補として、同氏の名前が日本のジャーナリズムで問いだされていることを知った。確かに、ある日本のスポーツ新聞からの電話取材は受けた。しかし、同氏の目的は、バルセロナのようなポゼッション・サッカーをどこかで指揮したいと思っているようである。それが、日本であるかどうかは別物である。日本の新聞社から問い合わせを受ける以前に、自分は、同氏の意思を聞いていたので、ガンバの話はタイミングが良過ぎたのかと思っている。

 同氏は、サントスの敗戦の戦犯としてガンソをあげている。現在のサッカーでは、テクニックに優れていても、相手をマークする運動量も必要であると力説する。メッシやネイマールは、それを実践していた。しかし、天才肌のガンソは、余りにも運動量が欠如していたと分析している。現在のサッカーでは、運動量の欠如は、チームへの貢献にはならない。

 クラブ・ワールドカップ決勝戦をTV観戦後、ミナス・ジェライス州のモンチ・シオン市、アーグア・ジ・リンドイアからは車で5分程の所であるが、同氏の生まれ故郷でイタリア系移民の子孫である友人たちと、恒例のワインを飲みながらの語り合いに参加した。サントスを愛するある歯科医のサンティスタは、サントスのレプリカに愛着を持って着ていたが、現実に落胆するよりも将来に期待したいと語っていた。

 混沌が常に身近にあるサッカー界ではあるが、バルセロナが魅せたサッカーは安定していて負けない、攻撃的な資質を全世界に知らしめたと思う。

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「ブラジル一人旅」

2011/12/12(月)

  今月初めから、プライベートでのブラジル滞在をし始めた。年明けに帰国するまでの1ヶ月間、ブラジル人の友人たちと親交を深めることを行っている。予定では、ブラジル国内の五つの州を訪ねることになる。ミッションを受けての仕事での旅ではないので、生まれて初めてのリラックスした旅を続けられていて有意義で楽しい。

 122日にリオデジャネイロに入ったが、来季からグレミオでコーチとして活動するアウミール・ドミンゲスの粋な計らいで、6日と7日の二日間、Footecon2011という国際フォーラムに特別に参加できた。現ブラジル代表監督のマノ・メネーゼス、前ブラジル代表監督のカルロス・アルベルト・パフェイラ、現アメリカ合衆国代表監督のユルゲン・クリンスマン、ブラジル選手権を制覇したばかりのコリンチャンスのテチ監督他、ブラジル国内で実績を作り挙げている人々の話を興味深く聞く機会を持てたばかりでなく、多くの新しい友人との関係を構築できた。

 その後、パラナ州の州都、クリチーバ市に移動してきた。ブラジル代表のフィジカルコーチのカルリーニョスとはお互いに存在は知っていたが、初めて直接出会って、長い時間、楽しく談笑もできた。代表スタッフのひとりとして活躍しているが、気さくで紳士な人物で、冗談も含めて2014年のワールドカップやそれまでのこと、そして、ワールドカップ後のことをリラックスして話し合えた。その際、カルリーニョスやアウミールの幼馴染の多くの人々とも親交を温めることができたが、人懐っこく、そして、人をリスペクトする態度と会話の内容や質については、至福の時間であったと思えた。

 今までスカイプなどで多くの時間を費やしてきた友人のひとりに、クリチーバ市のスポーツ委員会のイーロス・マソーゾとも初めての出会いを実現できた。サッカーのみならず、クリチーバ市マラソンを5年間も企画、運営してきた好人物である。当然の如く、2014年のワールドカップ開催に携わることになっている。ブラジル人の多くは、日本、日本人に対して、知られていないかもしれないが、常に深いリスペクトを示している。

 そのようなイーロスに、クリチーバ市を案内してもらった。何代も前からクリチーバっ子のクリチバ―ノ(Curitibano)のプライドとして、自分が生まれ、育ち、そして、多くの幼友達のいるイーロスとしては、自分にクリチーバ市の良さを知って欲しいという熱意を感じずにはいられなかった。彼は、クリチーバ市を熟知していて、そして、クリチーバ市を愛している。彼は、特定のクラブを応援する立場にはいないが、アトレチコ・パラナエンセ、コリチーバFC、パラナ・クルービなどのクラブを誇りにもしている。

 緑が豊富な大都市、クリチーバ市、そして、アウミール、カルリーニョス、イーロス始め、自分が生まれ育った住む場所に誇りと愛着を強く抱き続けている人々と接していて、クラブが地域に密着することとは、このようなことが原点であると改めて感じもしている。その理由のひとつに、今季、ブラジルで最も多くの観客数を集めたクラブが、コリンチャンスでもなくフラメンゴでもなく4部リーグ所属のサンタ・クルスであることからも理解できるものと思う。

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「54,815人」

2011/11/23(水)

  54,815人、1120日に行われたブラジル全国リーク・セリエD(Campeonato Brasileiro Série D)、決勝第2戦の観客数である。会場は、ブラジル北東部のペナンブッコ(Pernambuco)州のヘシーフェ(Recife)市にあるアッフーダ・スタジアム(Estádio Arruda)、キャパシティが6万人程のサンタ・クルス(Santa Cruz)FCのホームスタジアムである。

 ブラジル全国リーグは、1月末から5月初旬までの各州リーグが終了してから行われている。セリエABは、それぞれ、20チームによるノーマルなリーグ戦。セリアC20チームの参加であるが、4ブロックに分けた一次リーグ、2ブロックでの二次リーグ、そして、決勝戦が行われる。セリエDは、2009年から始まった最も新しいリーグであり、今シーズンが3度目の開催となっている。即ち、4部リーグに相当する。

 セリエDの参加チーム数は、408グループに分けられ、5チームでのホームアンドアウェイのリーグ戦を行い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出し、R16からもホームアンドアウェイで行われる。セリエABCJリーグ最終節と同時期に終了するが、セリエDは、2カ月程遅れて開幕し、1120日が最終戦であった。

 決勝戦は、サンタ・クルスFCとミナス・ジェライス(Minas Gerais)州のジュイース・ジ・フォーラ(Juiz de Fora)市にあるトゥピ(Tupi)FC、どちらも1913 1912年創立の歴史あるクラブ同士の対戦。第1戦は、トゥピFCがホームで10と勝利しており、ホームに迎えるサンタ・クルスFCのサポーター、ファンを含めてヘシーフェ市は盛り上がった。試合の三日前で、前売り券の売り上げが32,100枚と公表されていたので、どのような結果になるものか興味を抱いていた。

 試合は、アウェイチームのトゥピFCが第2戦も20で勝ち、初優勝を成し遂げた。サンタ・クルスFCは準優勝ではあるが、来シーズンのセリエCへの昇格を果たした。そして、結果とは別に驚かされたことが観客数。ほぼ満員の54,815人の大観衆が、スタジアムに詰めかけたことであった。言い換えれば、4部リーグの決勝、全国で61位と62位のクラブ順位決定戦でもあるとも思えたからである。

 2011シーズンのセリエDの各クラブの1試合の平均観客数も発表されており、ホームスタジアムのキャパが4,000人、5,000人、10,000人前後のクラブも多いこともあり、平均観客数が100人台のクラブもあった。そうした中で、サンタ・クルスFCは、驚異的に最高の37,869人を1試合の平均観客数として集めた。しかも、決勝戦を含むホームゲームの試合数は16でありながら、半数の8試合のそれぞれで25,000人以上の集客を記録したのである。優勝がかかった試合に、54,815人もの観客がスタジアムに集結することは意外でもなく、至極普通の成行きであったことが分かった。目下、セリエAも残り2試合、Jリーグと同じ。コリンチャンスの勝ち点67とヴァスコ・ダ・ガマの勝ち点65のタイトル争いは、柏レイソルと名古屋グランパスの覇権争いに似ているようにも感じる。Jリーグも残り2節、多くの観衆でスタジアムが埋め尽くされることを期待したい。

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「バルセルーザ、Barcelusa」

2011/11/09(水)

 119日、今朝、ブラジル人の友人とスカイプで話をしていた最中、ポルトゲーザ・ルーザ(Portuguesa Lusa, Associação Portuguesa de Desportes)のブラジル全国リーグセリエBの優勝が決まった。ブラジル在住のブラジル人は、サッカー関係者。TVで観戦していながら、僕と会話をしていたのである。ポルトゲーザ・ルーザは、来季、セリエAでの参戦が既に決定していたが、優勝することで華を飾ったということが言えると思う。

 ブラジルでは、多くの名門クラブがあり、そのことは、日本でも知られている。サンパウロ州に限っては、コリンチャンス、サンパウロFC、パルメイラス、サントスFCなどが著名であるが、5大クラブとしてポルトゲーザ・ルーザも伝統あるクラブとして認識されている。前者の4クラブには遠く及ばず、大きな成功を収めることができなかったが。

 残り3試合のセリエBで優勝を決めたことには、大きな理由があった。攻撃的な戦術を、ジョルジーニョ(Jorge Luís da Silva)監督のもとで継続し続けたことにある。バルセルーザ(Barcelusa)のニックネームで圧倒的な強さを見せたのは、本家本元、スペインのFCバルセロナを連想させるものがあった。12得点のEdno11得点のAnarias10得点のHenrique

それは、メッシを始めとするバルセロナと類似した攻撃力の凄さを発揮し続けている。恐れることなく攻撃に力を注いだジョルジーニョ監督は、選手時代、ポルトゲーザ・ルーザのアイドルとして活躍した存在でもある。いくつかのクラブでプレーを続けた経緯はあるが、グァルディオラ・バルセロナ監督と被る意識を持つファン、サポーターも多いに違いないと思ってしまった。

 僕自身、ポルトゲーザ・ルーザのトレーニングセンターやスタジアムのカニンデ(Canindé)には多く訪ねたことがある。カニンデは、西京極陸上競技場のような雰囲気にも似た印象があり、大きくもなく近代的でもない。1920年創立のクラブは、大きなタイトルを取れずに今日に至っている。そのポルトゲーザ・ルーザのマスコットが、実は、ライオンである。今、なでしこリーグの初優勝が間近となったINAC神戸レオネッサも、ライオンというイタリア語がチームネームとなっていることを知っている。もしかすると、今年はウサギ年ではなくライオンの年であるのかもしれないと幼児的な連想をもしてしまっている。

 カニンデには、大観衆が詰めかけた。歓喜の一瞬に遭遇するためである。ブラジル全国リーグ・セリエAも、佳境に入っている。残り5試合。勝ち点3差の中に、コリンチャンス、ヴァスコ、フルミネンセ、ボタフォゴ、フラメンゴがタイトル争いとコパ・リべルタドーレスの出場権を争っている。先日、フラメンゴは、入場料を減額してまでもファンやサポーターの応援を呼び掛けた。クルゼイロ戦、4万近くの観客を集め、快勝してタイトル争いに踏みとどまった。

 J1昇格が見えてきたサガン鳥栖、初優勝が目前のINAC神戸でも、ホームスタジアムに1万人以上の観客が観戦した。面白く攻撃的なサッカーを展開し実績を作りつつあるクラブに、ファンは自然と興味を抱くものが普遍なものと再認識させられている。サムライブルーも、タジキスタン戦、北朝鮮戦での結果次第では、潜在的なサッカー・ファンをより多大なものにして欲しいと思う昨今である。

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「ネイマールの日本語」 

2011/10/23(日)

 Jリーグも余すところ4試合となり、柏レイソル、ガンバ大阪、名古屋グランパスの優勝争いが面白くなってきた。シーズンが極めて似ているブラジルでも、ブラジル全国リーグ(Brasileirão, Campeonato Brasileiro)も、残り7試合、8試合となって、優勝争い、そして、来季のコパ・リべルタドーレスの出場権獲得争いが壮絶になっている。Jリーグ最終節の翌日、ブラジルでも最終節を迎える。クラブ創立100周年を超えたコリンチャンスがトップを走っているが、ヴァスコ・ダ・ガマ、ボタフォゴ、フラメンゴ、フルミネンセ、サンパウロ、インテルナショナウ、フィゲレンセなどが僅差でリーグ戦も佳境に入ってきて実に興味溢れる状況である。

 今季のコパ・リべルタドーレスのチャンピオンとなりクラブ・ワールドカップに出場するサントスFCは、代表に選手を輩出してリーグ戦を戦うことが多かったため優勝を狙うことは難しくなった。そのサントスFCのブラジル代表FWのネイマールが、サントスFCのオフィシャルサイトでインパクトのある登場をしている。ネイマール自身がクラブ・ワールドカップについて、日本語でコメントを伝えている。「私の名前は、ネイマールです。サントスのフォワードです。12月に、日本に行きます。応援、よろしくお願いします。」はっきりして聞き取り易いネイマールの日本語での挨拶は、好評である。史上最強とも称されるバルセロナFCとの対戦を楽しみにしているネイマールは、ロンドン・オリンピックまではサントスFCに残留することを公表している。ブラジル人選手として、サントスFCでファースト・ステージの集大成として、バルセロナFCに勝利することを目標としている。時間の問題で、来季は、レアル・マドリーかバルセロナなどのヨーロッパの強豪クラブに移籍することは間違いのないところである。

 一方、FIFAから2014年のワールドカップ、前年のコンフェデレーション・カップの会場、日程も公表された。日本代表、スペイン、ウルグアイ、メキシコ、開催国ブラジルなどが出場するコンフェデレーション・カップは、決勝戦をリオ・デ・ジャネイロのマラカナンで行われる。

 ワールドカップは、ベロ・オリゾンチ、リオ・デ・ジャネイロ、サンパウロ、ブラジリア、クィアバー、ナタウ、フォルタレーザ、フェシーフェ、サルバドール、ポルト・アレグリ、クリチーバ、マナウスの12都市の会場が決定している。3試合を戦うグループ予選は、最も厳しい移動距離となると、数千kmとなる。日本代表が予選を勝ち抜いてワールドカップに出場することを信じているが、チームもサポーターもジャーナリストも大変な移動になることもあり得るかなと思い始めている。

 開催国ブラジルがサンパウロの新スタジアム、コリンチャンスのイタケロン(Itaquerão)で開幕戦を戦う。そして、決勝戦はリオ・デ・ジャネイロのマラカナン(Maracanã)で行われる。現時点で、日本代表の出場は決定していないが、出場できたとして、どのグループに入るかによっては予選での大移動も想定される。いずれにしても、とても楽しみなワールドカップが、そして、ネイマールの日本語によるメッセージを聞いていると、12月のクラブ・ワールドカップに思いが弾んで仕方がない。

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「パン・ジ・ケージョ」

2011/10/03(月)

 パン・ジ・ケージョ(Pão de quejo)、ブラジルでは毎日食されているチーズパンである。大福ほどの大きさで朝食に向いていて、僕の大好物のひとつである。先月、28日、パラー州のベレンで行われたコパ・ロカ第2戦、ブラジル代表がアルゼンチン代表に20で快勝し、タイトルを勝ち取った。18才のサンパウロFC所属のルーカスとサントスFC所属のネイマールの素晴らしい得点で、アルゼンチンを一蹴した。

 試合をテレビで観戦していて、何故かパン・ジ・ケージョの味を思い出していた。理由は簡単で、ブラジルらしさ、ブラジルの日常が戻ってきた感じを抱いていたからだ。毎日、食するパン・ジ・ケージョのように、セレソンがブラジルらしいサッカーを展開したからである。

 今月7日、11日、コスタリカとメキシコとの親善試合を行うセレソンは、マーノ・メネーゼス監督が国外でプレーしている選手を多く召集しているが、オリンピック代表世代のブラジル国内でプレーしている選手も融合させようとしている。2014年の自国でのワールドカップに向けての準備は、確実に進めているように感じている。

 ネイマールに続いて、ルーカスのポテンシャルの高さも活用し始めた。ネイマール、ルーカスだけでくなく、インテルナショナウのオスカールや負傷中ではあるがサントスFCのガンソなど、セレソンの若返り、強化は、少しずつ高まりつつあると感じる。今回のアルゼンチン戦で、ボタフォゴのコルテスも使える目処が立ち始めて、左サイドバックのバックアッパーも見つけた。

 セレソンにとっては、2013年の日本代表、ウルグアイ、スペイン、メキシコなどが参加するコンフェデレーション・カップまで、公式戦がない。代表の強化は、違った意味で難しいと思われている。しかし、オリンピックへの出場権を獲得しているブラジルにとっては、親善試合ではあるが世代交代、ないしは世代の融合を試せる絶好の機会であるように僕には思われる。ブラジルらしさが戻りつつあって、今後のチーム作りに興味を覚える。

 一方、アルゼンチンは、コパ・ロカでのブラジル戦メンバーに、ブラジルのクルゼイロで活躍中のモンティージョ(Montillo)を起用した。オフェンシブのMFであるモンティージョは、今季もブラジル全国リーグで得点ランキング3位、昨年は最優秀MF賞を獲得している逸材であるが。アルゼンチン代表のサベージャ監督は、やはり、7日、11日のワールドカップ予選には国外組の選手のみの召集をして戦うことを決定している。

 僕にとっては、若年層の発掘、起用をしているブラジルの方が選手層をより厚くしていて、アルゼンチンよりも2014年をより近い視野に入れているように思われてならないのではあるが、若い世代が頭角を現し始めている日本代表のワールドカップ予選、タジキスタン戦をも含めて、世界各地のワールドカップ予選、ユーロ予選、親善試合に心は躍っている。

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「コパ・ロカ第2戦とその後」

2011/09/24(土)

914日のコパ・ロカ第1戦は、周知の通り、無得点の引き分けに終わっている。ブラジル代表もアルゼンチン代表も、両国でプレーしている選手のみの召集である故、一般的には知名度が高い選手は少なかった。試合内容も凡戦といっても良い程で、おとなしく勝負を競うものではなかった印象が強い。

 見どころは、ネイマールが際立ったポテンシャルの高さとレアンドロ・ダミアンのランブレッタ(Lambreta)しかなかった。アルゼンチンのコルドバ市、マリオ・アルベルト・ケンぺス・スタジアムで、代表を率いて1年程のセレソンのマーノ・メネーゼス監督にとっては、親善大会であっても初のタイトル獲得を目指す意味ではアウェイでの引き分けは第2戦へのアドバンテージを得ていると思われる。第2戦は、パラー州のベレンで928日に行われる。

不思議なことに、ベレンには両国代表が呉越同舟ではないが、リオデジャネイロの空港から同じ航空便に搭乗することも情報として流れていて、至ってフレンドリーであると思わされる。

 メネーゼス監督は、22日、コパ・ロカ第2戦の代表メンバーと107日のコスタリカ戦、11日のメキシコ戦との親善試合のメンバーを発表した。2014年の自国開催のワールドカップの準備試合とコパ・ロカとの重要度は異なるので、メンバーは大いに異なる。コパ・ロカのアルゼンチン戦には、やはり多くのオリンピック世代の選手が召集されているが、コスタリカ、メキシコでのアウェイの試合には国外組が中心となっている。

 コパ・ロカ用の代表には、初めて選抜された選手が3名いる。その中に、ふたりの選手に興味を感じている。エウケソン(Elkeson)、好調なボタフォゴの攻撃的MFとしてチームを上昇させている22才になったばかりの若手。ゴール前に入り得点を挙げるポジショニングも良いが、豪快なミドル、ロングのシュートは左右両足から狙えて素晴らしい能力を発揮している。もしかすると、エウケソンは2014年に生き残る素材かもしれない。もうひとりは、2006年にベガルタ仙台でもプレーしていたボルジェス(Borges)。もう直ぐ31才になるが、代表入りを熱望し2014年を目指したいとメディアにも豪語している。176cmと大柄ではないが、特異な得点感覚で、今季、ブラジル全国リーグで現在まで21試合出場で18得点と驚異的なゴールを量産し得点王争いを断トツにリードしている。このふたりの初代表選手が、どのようなパフォーマンスを見せるかに興味深く感じてならない。

 そして、負傷中のサントスFCのガンソは観られないが、セレソンのエースとなったネイマール、18才のサンパウロFCのルーカス、20才になったばかりでコパ・ロカで代表デビューを飾ったインテルナショナウのオスカールは、コスタリカ、メキシコとの親善試合にもメンバー入りしている。オスカールの視野の広さ、キックの精度、テクニシャンの21才のガンソを含め、これら攻撃的な4選手は、2014年の代表チームの中心になっていると思えてならない。

 一方、アルゼンチンは、コパ・ロカ後、ワールドカップ予選を戦うことになっている。チリとヴェネズエラとの予選が控えている。ワールドカップ予選では国外組を召集して戦うアルゼンチンにとっては、国内組で挑むブラジル戦は意味の薄いものとなっているように感じてならない。

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「コパ・ロカ」

2011/09/07(水)

 馴染みのないカップではあるけれど、面白いSupercalassico(スーペル・クラシコ)が復活した。Copa Roca(コパ・ロカ)AFA(アルゼンチン・サッカー協会)CBF(ブラジル・サッカー連盟)が協議して、1914年に始まった代表チーム同士の国際親善カップである。アルゼンチンが軍事政権時代のロカ大統領の名を付けたカップ戦であると聞いている。1976年を最後にコパ・ロカは中断していたが、35年振りに復活した。

 ホーム・アンド・アウェイで行われるコパ・ロカは、第一戦がアルゼンチンのコルドバで914日、第二戦が北部ブラジルのアマゾン地域のパラー州のベレンで同月28日に行われる。今回、12回目のカップ戦となるが、両国優勝が一度あり、ブラジルが8回、アルゼンチンが4回の優勝という歴史がある。 

 今回は、国外の選手を召集できないため、両国とも国内の選手でチームを編成する。アルゼンチン代表新監督のアレハンドロ・サベージャは、ベテランのマラドーナ元監督と反目していたリケルメを久し振りに、そして、ヴェーロンを召集して挑む。一方のブラジル代表監督のマーノ・メネゼスは、オリンピック代表世代の選手、9名を選抜した。そして、先のロンドンで行われた国際親善試合、ガーナ戦にドゥンガ前監督に召集されなかったホナウジーニョ・ガウーショをフル出場させ、そのポテンシャルの高さを評価し今回も選抜している。

 セレソンに選ばれたオリンピック世代の選手の大半は、当然の如く、コロンビアで行われたFIFAU-20ワールドカップで優勝したメンバーも含まれている。フル代表に選ばれていてU-20の今大会に不参加であったサントスFCのネイマールやサンパウロFCのルーカスとともに、サントスFCのダニーロやサンパウロFCのカゼミーロも選抜された。その中で、注目に値する選手のひとりに、インテルナショナウのオスカール(Oscar dos Santos Emboaba )がいる。初めてセレソンに選出された。先のFIFA U-20の決勝でポルトガルとの決勝戦でハットトリックを成し遂げた選手である。テクニックは申し分なく、とりわけ、キックの精度の著しく高い能力を発揮している。既に、バルセロナFCやパリ・サンジェルマンなどのヨーロッパの強豪クラブの獲得リストに上っている20才になったばかりの攻撃的なMFである。

 8月、スペインのスーベル・コパでのレアル・マドリッド戦、UEFAスーパーカップのFCポルト戦のFCバルセロナをテレビではあるけれど観ていて、異次元のサッカーを再び感じていた。なでしこジャパンがオリンピック予選で健闘し、サムライブルーはワールド カップ予選で苦闘しているが、結果を残しつつある。川澄や清武のように、素晴らしい素材の成長も好ましい。

 ブラジルでは、ネイマールとガンソがクラブ・ワールドカップでFCバルセロナとの戦いを熱望してヨーロッパのクラブへの移籍を来年以降に保留している。サンパウロFCのルーカスとともに、出場機会があるのであれば、オスカールのコパ・ロカでのパフォーマンスも楽しみのひとつである。

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「たかが親善試合ではあるけれど」

2011/08/11(木)

 810日、親善試合ではあるけれど、3試合を楽しんだ。U-22日本代表が対戦したU-22エジプト代表と日韓戦。そして、ドイツ代表対セレソンブラジル代表戦。すべてTV観戦ではあったが、試合内容や結果も関心の高いものとしていても、ひとつの目的として成長している選手や新たにインパクトを受けられる選手の出現を期待していた。

 エジプトは、昨今、若年齢層の代表が世界的に評価を高めていると思っている。コロンビアで行われているU-20FIFAワールドカップでも、エジプトのポテンシャルの高さを感じていたからである。ロンドン・オリンピック出場を目指す両チームの対戦には、色々と興味があった。そして、日本サッカーリーグ時代にマツダ(現在のサンフレッチェ広島)に所属していた山田氏の子息、直輝選手の素晴らしいパフォーマンスに大きな期待を寄せられると思う将来を感じた。運動量豊富な視野の広さ、テクニック、駆け引きの巧みさは将来の大器を感じさせるに十分であったと思う。

 伝統の日韓戦については、韓国の不調な面もあってか日本の完勝であった。香川真司のワールドレベルなパフォーマンスは、世界中の注目を集めたと思うし、同等レベルの本田圭佑のプレーも信頼できるものであったと思う。両選手には、読みのあるプレー、強さ、視野の広さ、技術、余裕、そして、何よりも重要な決定力が備わっており、そのための駆け引きもベースにあった。李忠成のポジショニング・センス、遠藤の経験の深さと清武のデビュー戦でもの冷静さも称賛に値するものと思う。

 これから、ワールドカップ予選を戦う両代表にとって、日本は韓国よりも遥かにアドバンテージと自信を持って挑めることと思えた。日本代表は既にコンデレーション・カップ出場を決めているのであるからして、世界の強豪チームとの対戦をワールドカップ前年に経験できることも大いなるアドバンテージであるはずである。楽しみと期待は、尽きない。

 ドイツ代表対ブラジル代表の試合は、正直、失望した。ドイツは、若返りも上手くいき、そして、何よりもパスを繋ぐサッカーを昨年のワールドカップと同様に展開できていた。ブラジルは、時間の経過とともに個人技をベースにしてリズムを作りかけた時間はあったが。2-318年振りにドイツに敗れた。ブラジルのマーノ・メネゼス監督は、CBFのティシェイラ会長から試合終了直後、解任はないと報告されたが。来月、2日と6日に対戦相手は未定なものの国際親善試合が組まれるし、来月の14日と28日には、ライバル、アルゼンチンとコパ・ロッカの2試合も予定されている。ホーム・カントリーでの開催の2014年に優勝を義務付けられているブラジルにとって、前年のコンフェデレーション・カップのみが真の公式戦である。今のブラジルに必要なものは、経験豊富な選手の登用であるというブラジル人の友人が多い。日本代表に遠藤がいるように、ブラジルにも必要なのではとする意見である。同感する気持ちは、半分。何故ならば、22歳の香川は日本の大黒柱になっているし、ドイツには、19歳のマリオ・ゲェッツが才能を輝かさせ続けているからだ。

 世界中のサッカーを見ていく中で、スペインなども勿論であるけれど、ブラジルのネイマールやブンデスリーガ、ボルシア・ドルトムントでの香川、ゲェッツ、フンメルスなどの若い選手たちの成長、進化を見続けたいと思うからである。

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