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新星、ドス・サントス

2010/06/12(土)

 2010611日、アフリカで初めてのワールドカップが開幕した。日本では、今ひとつ盛り上がりに欠けると世間では言われてもいるが、4年に1度の世界最大の祭典は世界中のどこでも筆舌に尽くし難いほど熱狂に包まれている。

 さて、開催国、南アフリカとメキシコの開幕戦は、84,490人の大観衆が詰めかけたヨハネスブルグ市内のシティ・スタジアムの結果は周知の通り。大会初ゴールを挙げた南アフリカのチャラババやピーナールも注目を集めているが、僕は、そのこととは別にメキシコのドス・サントスとカルロス・ヴェラに関心を持っていた。この2選手は、2005年、ペルーで行われたワールドカップU17大会で、決勝戦でブラジルを3-0で破り、メキシコに初のタイトルをもたらした時の中心選手であったからである。2006年のドイツ・ワールドカップは若過ぎて出場はならなかった2選手のワールドカップ初出場を密かに期待していた。

 カルロス・ヴェラはU17大会の得点王となり、その後、イングランドのアーセナルに移籍、レギュラーのひとりとして活躍している。実は、僕のブラジル人の友人のひとりにサンドロ・オルランデッリという人物がいる。彼は、唯ひとりのアーセナルの中南米担当スカウトとして活動している。選手の年齢が13才、14才の頃からひとりの選手を80試合ほどはスカウティングして納得した時点で、アーセン・ベンゲル監督に推薦するという。僕は、ブラジルに行く度にサンドロと会っていたが、最も自信を持って推薦できると語っていたのがカルロス・ヴェラであった。ペンゲルは、ピッチの中だけではなく外でも性格の質というべきか品を要求していることも聞いていた。

 そして、もうひとり、ジィオヴァーニ・ドス・サントスには、より深い興味を抱いていた。ジィオヴァーニの父親の存在であった。ご存じの方も多いことと思うが、ブラジル人の姓のドス・サントスとダ・シウヴァなどは、その数の多さは異常なほど。父親は、ジェラウド・ドス・サントス、ジジーニョ(Zizinho)のニックネームで知られていた。今年で48才になるジジーニョは、15才でサンパウロFCのトップチームデビューをし、U17ブラジル代表で頭角を現した。その活躍に、メキシコの名門クラブ、アメリカが即時に契約をしてしまった逸材であった。全盛時、メキシコ代表監督から代表入りのオファーも受けたが帰化はしなかった。僕には何故か、切れ味鋭いプレーを見せていたジジーニョの名前が脳裏から離れない時代があった。ジジニーニョの息子としてのジィオヴァーニのU17ワールドカップでの活躍を知った時、今回の南アフリカ大会での登場を、そして、どのようなパフォーマンスを見せてくれるかを期待し続けていた。レフティでゲームも作れ、ドリブルにも優れゴール感覚も持ち得ているところからメキシコのメッシという人もいる。南アフリカ戦は、あどけなさの残る顔のジィオヴァーニは、ワールドカップのデビュー戦にも拘わらず落ち着いた素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。24才の兄のエーデルはメキシコのアメリカでボランチとして、そして、1才年少のヨナサンも僅かな試合ではあるがFCバルセロナのトップチームのメンバーとしてデビューしており、昨年はメキシコ代表チームでもデビューした。父親と同様、中盤でプレーするジィオヴァーニ、ヨナサンのドス・サントス兄弟が、揃って、父親、ジジーニョの祖国、ブラジルでの次期ワールドカップ出場も夢ではない。

 今回のワールドカップ、体格的にも似て、そして、パスを回して攻撃的なプレーを見せるメキシコは日本の模範になるとも、かなり以前から言われてきた。パスを受ける第3者、第4者の動きも魅力ではあるが、僕は、ジィオヴァーニ・ドス・サントスの魅惑的なプレーも大いに楽しみたいと思っている。

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