「この間、感じたこと」
このブログを始めたことから知人を介して講演の依頼が舞い込んだ。そして、先日、大阪の梅田で稚拙ながら講演を行った。株式会社ジェイ・エム・エーと株式会社船井総合研究所の共催で、ホテルのマネージャーの方々を対象としたものだった。自分に用意された演目は、「組織力UP(チームプレイ)の極意と指導法」というものであった。演目が難し過ぎると思って、僕は「モチベーションとリスペクト」をテーマとして語らせて頂いた。
それぞれのホテルで重大な責務を抱く立場の方々であったので、リラックスして頂きたいとは思ったが、笑いを取るということはできなかった。この方々にとっては、自分自身の体験は特別なことで、多くの人が体験し得ないことと思われていたので、ストレートに体験談から何かを感じて欲しいという価値観で進めさせて頂いた。
僕は、自分の学生時代の心を打たれたエピソードとアルゼンチン代表でFCバルセロナのメッシのコメントを、是非とも紹介したいと思っていた。
現在のUEFAチャンピオンズリーグの前身であったヨーロッピアン・チャンピオンズ・
カップの時代であるが、ある高名な監督が素晴らしく忘れることができない発言をしていた。当時、僕が理解できた言語は日本語と英語しかなかったのだが、どちらの言語で読んだものかは記憶にない。まだ、僕が高校生であったからである。従って、どのクラブに所属していた監督名かも名前も思い出せない。
その監督は、次のように表現した。「チャンピオンズ・カップに優勝することは、”月へ自転車で行くことよりも難しい。”」 当時の僕にとっては、どのような格言やことわざよりも強烈なショックを受けたことばであった。
聴講している方々に語っていて、僕は気が付いたことがあった。講演だから、ひとに何かの関心や感銘を与えなければならない。しかし、僕は、この話をしながら、あることに気が付いた。名言には違いないけれど、この監督は、難しいことへの挑戦を自らのモチベーションとすることにし、選手やコーチングスタッフにも発言することによってセカンドハンドではあっても意志を伝えたかったのではないかと。
誰でも、目標を高くして努力する。しかし、可能な範囲内のことであるべきである。この監督は、客観的には優勝候補であろうとなかろうと、ゴールはチャンピオンになることであると啓発していたのではないかと思うようになった。
メッシは、少年時代、アルゼンチンからスペインに渡る際のことを深遠なことばで表現している。「電車が、僕の前で止まったんだ。僕は、乗るべきであると思ったよ。また、その電車が僕の前で止まるとは限らないから。」 チャンスは逃してはいけないし、チャンスをものにしないといけないというメッシの哲学、精神であると思った。それは、得点力と相手を翻弄するプレーに表れていると思う。
モチベーション、それは、対象となるものを、僕らならばサッカーをとことん好きになること、そして、サッカーをリスペクトし追求することで、自分たちが活かされるものと思えてしまった。人生、楽しむために生きていることを、講演をしながら感じていた。
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