「爽快な気分」
先日、奈良県にあるYANAGI FIELDに出掛けた。ヴィッセル神戸時代のクラブメートで、現在、YF NARATESOROのジュニアチームの監督をしている野呂顕人氏から”ACミラン・ジュニアキャンプ”を観てみませんかという誘いを受けたからである。ACミランのコーチたちの参加者である子供たちとのスクールは、とても明るく陽気な印象を感じさせてくれた。
一ヶ月ほど前、僕は野呂ファミリーと夕食をともにした。理由は、野呂ファミリーの次女、央(まなか)ちゃんと僕の誕生日が一緒で、誕生会を開いてくれたのである。二歳になった央ちゃんとふたつ年上の葵ちゃん、野呂夫人の圭那子さんと野呂氏と僕とで、娘さんたちの大好きな”アンパンマン”をテーマにしたイタリアンレストランでプチパーティを開催した。野呂ファミリーから、とりわけ、ふたりの娘さんから”アンパンマン”の凄さと登場するキャラクターが無尽蔵に出現してくることを知らされた。
ACミラン・ジュニアキャンプが終了して、僕は、野呂氏から浜田満氏を紹介された。FCバルセロナとACミランのキャンプを日本国内で展開させている人物であって、株式会社アメージング・スポーツ・ラボ・ジャパンの代表である。三十代半ばの青年と、昼食を摂ることになった。食事をしながら、初対面であるにもかかわらず僕はとても爽快な気分を味わい始めた。
浜田氏は、今に至るまでの半生と実情と未来を語ってくれたのであるが、バイタリティにも感心したが、同氏もマルチリンガリストであることを知ったことで、僕にとっては楽しい時間を持つことになった。海外では、多くのマルチリンガリストとは出会っていた。以前、契約交渉で出会った12ヶ国語を話すというトルコ人のフェネルバーチェ会長のアリ・セン氏の存在も、頭の中をよぎっていた。現在はチェルシーのGMをしていると記憶しているが、PSVアイントフォーヘンのGM時代のデンマーク人、フランク・アーネセンとの付き合いも思い出していた。良き思い出も、苦い体験もさせてもらった人たちである。
マルチリンガリストの人たちと話をしていて、いつも感じることがある。それは、固定観念に陥ることのない発想の意外性、そして、視野の広さである。僕にそれが備わっているのかは解らないが、他人と違った価値観があることを指摘されることもある。僕は、浜田氏と楽しく語らいの時間を持ちながら、マルチリンガリスト故に理解し合える共鳴のようなものを恣意的に感じていた。そして、僕が持ち得ていないものを感じることもできた。
“アンパンマン”の世界は、登場するキャラクターが無尽蔵だと知らされて、そして、その後、浜田氏というマルチリンガリストと出会った。感性というものは、人工的に作為的に作れるものではないと思っている。このような出会いができた幸運な機会に大いに感謝し、今後の糧としたいと思えた。”アンパンマン”の存在を少しは理解して、そして、日本人としての”マルチリンガリスト”に出会えたことで、物事を観る目を更に養いたいと思えた。爽快な気分を味会うことができた、夏の一日であった。
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