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「年に一度」

2010/09/06(月)

昨日、日曜日、僕は朝から、神戸市北区のしあわせの村にいた。友人の加藤寛氏から、全国から身体の不自由な人たちが集まってサッカーの試合を行うので観てみないかと誘われたからである。兵庫県サッカー協会副会長の高見豊氏とともに観戦させて頂いた。上述の両氏や他の関係されている方々から、色々と説明を受けた。

 FESPIC Games (Far East and South Pacific Games for the Disabled、極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会)が、1989年に神戸市で開催されてから、サッカーに関しては、震災の年を除いて21年間も継続しているものと伺った。関東や九州からも参加された障害を抱えた選手たちは、年に一度のしあわせの村での試合を楽しみにしていることも伺った。

21年前から参加している選手もいれば、この年に一度の試合でボランティアの方と知り合って、その後に結婚され、お子さんと参加されている選手もいることを知らされた。

 杖をつきながらピッチに立つ選手もいれば、腕を失った選手も多々いた。この年に一度のために集結した障害を持つチームは、言わば寄せ集め的にもかかわらずチームワークが素晴らしい。ポジションの要求もチームメート同士で言い合いながらも、楽しそうにボールに触れる情景に自然に惹き込まれてしまっていた。対戦チームは、鵯台のママさんチーム、”VANVEIL”。それぞれの少女時代にサッカーと出会い、ママさんになった今でもチームを作りプレーを続けていると聞いた。試合は、僅差を争う好ゲームであった。僕には、両袖から腕を見られなかった選手の華麗なボールさばきや強烈なシュートを打つ選手の力強さ、俊敏なファインセーブを見せたGKなど、大いに試合を楽しませて頂いた。

 この年に一度の試合を知って、ブラジル人の友人に話してみた。彼も、初めて観た時は驚いたそうである。片足がない選手は、延々と左足だけでリフティングで妙技を披露していたとのこと。そして、ブラジルでは、障害を抱えた人々のサッカー全国大会も開催されていると聞いた。サッカーは工夫すれば、どのような人々にもできるスポーツであることを再認識した。

 友人と話していて、今、ブラジルでは、サンパウロ市にあるSC CORINTHIANS(スポーツクラブ・コリンチャンス)91日で創立100周年を迎えて色々と盛り上がりを見せているとの話題になった。イギリスの軍艦、コリンチャンスの乗組員がCORINTHIANS TEAMとしてブラジルで多くの試合で圧倒的な強さを見せた時代に、その名からCORINTHIANSと名付けたクラブである。僕も、何度も訪ねたクラブであるので親近感もある。現在、2014年のブラジル・ワールドカップで開幕戦を行えるように、新しいスタジアム建設構想も盛り上げのひとつとなっている。

 前述の加藤寛氏が主宰している今年、設立したKOBE SPORTS ACADEMYがエンブレムを作ることになった。デザインを見せて貰った。舵輪をモチーフにしている。コリンチャンスは、をモチーフにして100年の歴史が過ぎ去っている。それぞれが、今後も歴史を作っていくはずであると感じながら、継続は力なり、また機会があれば、年に一度の選手たちの試合も観たいと率直に思えた。

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