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2010年11月

「興味深いブラジル対アルゼンチン戦2試合」

2010/11/17(水)

 今日、1117日、ブラジル代表対アルゼンチン代表の試合が2試合行われる。ひとつは、カタールのドーハで行われるマーノ・メネーゼス監督率いるセレソン(Seleção)とセルヒオ・バティスタ監督のアルビセレステ(Albiceleste)の親善試合。セレソンの3試合連続得点中のアレシャンドリ・パトは怪我で出場できないが、ホナウジーニョ・ガウーショが久し振りに戻ってきた。チャンスメークをホビーニョとともに創り出し、点取り屋の若きエース、ネイマールメッシとのゴール対決をすることも興味深い。

 両監督とも、本来あるべき姿の代表の戦い方を追求するとコメントしている。スペイン代表が先のワールドカップ南アフリカ大会で魅せたポゼッション・サッカーと同じようにボールを繋ぎ、テクニックを駆使した魅力ある攻撃的な展開を追求する。アルゼンチンは、セルヒオ・バティスタが正式に監督となり2014年のブラジルでのワールドカップのタイトルを目指すスタートが切れてモチベーションが高まりつつある。当面、来年の自国開催のコパ・アメリカ優勝を目標に、急に若手への切り替えをせずに最強チームを作っていく方針であるとのことである。

 ブラジルも、2011年のコパ・アメリカ、12年のロンドン・オリンピック、自国開催の13年のコンフェデレーション・カップ、14年のワールドカップ、15年のコパ・アメリカ、そして、16年のリオデジャネイロ・オリンピックと目白押しのそれぞれの大会での優勝を目指して好スタートを切っている。ネイマールやガンソなど、20才前後の若手のタレントの台頭も力強い。

 17日行われるもうひとつのブラジル代表対アルゼンチン代表とは、女子の南米選手権である。114日からエクアドルで始まった大会は、13日に予選リーグが終了。5カ国ずつに分かれた二つのグループから、ブラジル、コロンビア、チリ、アルゼンチンが決勝リーグに進出した。17日、19日、21日とそれぞれの代表が対戦する。ブラジルは、予選リーグで唯一、無敗で勝ち上がってきた。そして、今日、予選リーグでは別のグループであったアルゼンチンとの初戦を迎えることとなった。

 この大会の優勝チームと2位となる代表が、2011年、ドイツで開催される女子ワールドカップとロンドン・オリンピックの出場権を獲得することになっている。同じ日に、中東のカタールで男子代表が、南米のエクアドルで女子代表が、同じカードとして対戦する極めて珍しい現象が起こった。友人のアウミール・ドミンゲス(Almir Domingues)の紹介で、カタールに出張中のブラジルのラジオ局ジャーナリスト、オズマール・アントーニオ(Osmar Antônio)氏と話をする機会を得た。この試合を取材するために、ドーハを訪れているとのことであった。ふたつのブラジル代表とアルゼンチン代表戦の話になって、オズマールはどちらのセレソンも勝利すると、記念すべき1117日なると予想と願望を伝えてくれた。

世界中がドーハに注目しているが、エクアドルの結果も気になる試合である。

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「ロンドン・オリンピック世代が楽しみ」

2010/11/08(月)

 

 117日、ブンデスリーガ、ハノーヴァー96vsボルシア・ドルトムントをテレビ観戦して、香川真司選手の素晴らしいパフォーマンスを堪能した。元々、Jリーグでプレーしていた時も特別に注目させられる存在であったが、今では、ヨーロッパのスペイン、イングランド、イタリアなどのビッグクラブから熱視線を送られるようになっている。

 ハノーヴァー96戦での先制点は、まるでレオネル・メッシを彷彿とさせるようなスーパープレイを披露しての得点であった。ペナルティエリアぎりぎりのところを横にドリブルし、左足でGKのセーブが不可能なところに弾道の低いゴールを決めた。ドイツのメディアでは、ハノーヴァー96GKには、防げるチャンスは全くない素晴らしいプレーと称賛された。最早、単なるポテンシャルの高い若い選手ではなくなり、チームになくてはならないエースのひとりとして存在感は抜群である。日本人として、外国人助っ人としての役割を見事にこなしている。

 監督のユルゲン・クロップ(Jürgen Klopp)は、歴史はあるが決してタイトルを取れるようなビッグクラブではない1FSVマインツで長い選手生活を送り、引退後、直ちにマインツの監督に就任している。7年ほど、マインツの監督を務めてドルトムント入りしたのは2年前。若手の育成には評価が高いことで知られているが、今のドルトムントでも若い香川世代の選手を多用して首位を走っている。

 クロップ監督は、しばしば、香川は、アイデアが豊富な選手として褒めちぎるようなコメントが多い。選手のモチベーションを高め能力を引き出すのが上手いと思うのではあるが、FW出身であることが香川にとっては良いことなのかと思うようになった。選手としては華麗な経歴はないものの、クロップ監督は現役時代、ボールの受け方に苦心していたであろうと推察してもよいかもしれないと思い始めた。それが、香川の両足とも自在に蹴れて、しかも、テクニックがあり、ボディバランスにもポジショニングも優れている高いポテンシャルを自由に発揮させている要因なのではと思えてきたのである。つまるところ、香川に自由を与えているのではないかと思うのである。香川はポーカーフェース的で、余り表情を外に出さないシャイな面を感じるのは僕だけではないと思うが、迷いがないかのような溌剌としたプレーは速く正確な判断力がベースになっていると思われるからである。

 今晩、広州で行われたアジア大会初戦で、U21日本代表は素晴らしい試合を見せてくれた。Jリーグ公式戦でレギュラーとして活躍している選手は各クラブの事情で参加していないが、決して、見劣りするようなものではなかった。センターバックの安定感、中盤での構成力、前線での決定力、そして、試合全体での駆け引き、すべてが中国代表に優っていたと思う。山崎亮平選手の思い切りのよくアグレッシブなプレーから先制点が生まれ、チーム全員が伸び伸びと自分を見せる溌剌としたプレーを見せてくれた。自信に満ちたプレーは、チームに利益を観る人々に感動を与えるものであると再確認できた。ロンドン・オリンピック世代も、楽しみが増大したと思う。

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「ナビスコカップ決勝」

2010/11/03(水)

 

 大方の予想に反して得点を取り合う死闘が展開されて、ジュビロ磐田が12年ぶりに2回目の優勝を飾った。カップ戦の決勝というものは、タイトル欲しさに守備的になりがちになるのが趨勢であると思っていた。ところが、磐田もサンフレッチェ広島も得点することに貪欲で勝利に対するモチベーションを素晴らしく見せていたと思う。延長戦での得失点の多さは疲労なども加わって仕方ないと思うが、アグレッシブでオフェンシブに戦っての53というスコアは深い印象を付けて歴史に残るものと思う。

 僕は、どの選手がどうのこうのという言い方はしたくないが、MVPに輝いた前田遼一選手や槙野智章選手、李忠成選手などの攻撃的なセンスがザッケローニ・ジャパンに光明をもたらしたと思えてならない。前田選手のふところの広さや抜け方、槙野選手や李選手のアグレッシブなところについても、それぞれのボールタッチの巧みさが見られたと思えたからである。

 

 決勝戦でこれほど得点が入ることは珍しいと思っていたところ、カタールでコーチをしているアウミール・ドミンゲスからインターネットでのテレビ連絡が入った。試合の結果が気になっていたからであるが、自然に、お互いがナビスコカップを最初に獲得した時代の思い出話になっていった。僕は、ヴェルディ時代の第一回ナビスコカップ優勝の時を思い出していた。ラモス、加藤久、柱谷哲二、戸塚哲也、都並敏史、ペレイラ、武田修弘、菊池新吉、ダヴィ、三浦知良ら選手とペペ監督との1992年を。アウミールは、セバスチャン・ラザローニ監督のGKコーチとして横浜FM2001年にタイトルを獲得した頃を懐かしんだ。

 ヴェルディがタイトルを監督した時のMVPは、清水エスパルスを相手に唯一のゴールを決めたカズであった。とても素晴らしい瞬間を皆と共有できたことを、忘れることはない。そして、アウミールにとっては、より大きな喜びと思い出があったという。2001年の決勝の相手は、今回、優勝したジュビロ磐田。スコアレスでの延長戦を終え、PK戦になった。アウミールの教え子のひとりである榎本達也選手(現在、ヴィッセル神戸)が素晴らしい守備のパフォーマンスを披露し、PK戦では磐田の最後のキッカー、前田遼一選手のPKを止めて優勝に導き、MVPに輝いたという。

 榎本選手がPKを止めて優勝を成し遂げた瞬間、榎本選手とアウミールはピッチ上で嬉しさの余り抱き合ったという。そのシーンを、マリノスの女性ファンが写真に収めていて、後日、額に入れてプレゼントしてくれたことをアウミールは伝えてくれた。今でも、ブラジルの家には壁に飾っているとのことである。

 ジュビロ(Júbilo)は、ポルトガル語での意味で歓喜通り、タイトルを獲得して栄光を勝ち取った。代表の駒野選手を怪我で欠いたり、シーズン序盤の不振を跳ね返した磐田は例外でも特別でもなく、意志のあるチーム、監督、選手が結果を作っていると思いたい。残りのシーズン、J1J2の戦いぶりに、より興味を感じさせる好ゲームを磐田と広島は見せてくれたと思う。それは、国立競技場に詰めかけたサポーターとテレビの前で観戦したファンが感じていると思われるからである。

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「Fリーグ観戦」

2010/11/02(火)

 

 今晩、グリーンアリーナでFリーグを観戦した。フットサル・リーグの試合を観るのは、5試合目位か。昨日、NPO法人アミティエ・スポーツクラブの赤尾修理事長と久し振りに会食した際に、思いがけもなくデウソン神戸と名古屋オーシャンズのチケットを頂いた。赤尾氏の今後の構想や夢を聞きながら、フットサルの話にも花が咲いたのであって、Fリーグを観戦する機会をまたしても持てたのである。

 1位と2位との上位対決も興味を覚えていたが、それよりも鳴り物入りで名古屋に入団したポルトガルの至宝、リカルジーニョを生で観たかった。世界中に室内サッカーは色々あって、ルールを統一したのが現在のフットサル。僕も、フットサルとして統一される以前のブラジルのサロン・フットボールに凝っていたことがあって、フットサルにも関心度は高い。

 オランダなどヨーロッパで行われていたファイブ・ア・サイドやアメリカ合衆国で行われていたアイスホッケー的なインドアサッカー、ドイツで行われていた体育館での通常のサッカーボールとゴールも同じサイズの室内サッカー、冬季にプールの水を抜いてサッカーが行われていたイングランドの独特のミニサッカーも興味を抱いたことも思い出しての観戦であった。

 気軽に楽しめるフットサルは、老若男女、そして、サッカーをしてこなかった初心者にも愛好されるようになった。ボールに触れる感触が、色々な人々に楽しさを容易に与えているように思っている。

 ポルトガル代表のリカルジーニョは、確かに素晴らしかった。状況判断の速さといい、しっかりしたテクニック、試合の流れを読み取る能力は流石といった印象であった。名古屋のブラジル人選手、ルイス・ネゴンの身体能力の強さとテクニックにも、また、デウソンの素晴らしいパスワークでボレーシュートを決めた岡崎チアーゴ選手も観衆を魅了していたと思う。

 以前、フットサル日本代表であった当時の友人、保坂信之氏からフットサル・ブラジル代表のファウカン、アレッサンドロ・ホーザ・ヴィエイラ(Falcão, Alessandro Rosa Vieira)の映像を見せて貰ったことがあった。同氏は、ヴェルディと浦和レッズで同時期を過ごしたテクニシャンであった。同氏の勧めでファウカンの映像を観た時、言葉にならないショックを受けた。

 ファウカンは、1117日にカタールのドーハで行われるブラジル代表対アルゼンチン代表の試合に、久し振りにセレソンに選ばれたACミランのホナウジーニョ・ガウーショ(Ronalsinho Gaucho)と少年時代からのフットサルのチームメートであった。面白い逸話を聞いたことがあった。ホナウジーニョは、ファウカンのテクニックに敵わないと感じフットサルよりもサッカーにより専念したという。

 今晩、リカルジーニョを観ていてファウカンほどの派手なテクニックは感じられなかったが、ヨーロッパと南米のサッカーのテクニックの違いはあっても、判断力の速さには魅了された。そして、ファウカンもリカルジーニョも、カニョート(Canhoto)、左利きであることも興味深い。

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