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「ロンドン・オリンピック世代が楽しみ」

2010/11/08(月)

 

 117日、ブンデスリーガ、ハノーヴァー96vsボルシア・ドルトムントをテレビ観戦して、香川真司選手の素晴らしいパフォーマンスを堪能した。元々、Jリーグでプレーしていた時も特別に注目させられる存在であったが、今では、ヨーロッパのスペイン、イングランド、イタリアなどのビッグクラブから熱視線を送られるようになっている。

 ハノーヴァー96戦での先制点は、まるでレオネル・メッシを彷彿とさせるようなスーパープレイを披露しての得点であった。ペナルティエリアぎりぎりのところを横にドリブルし、左足でGKのセーブが不可能なところに弾道の低いゴールを決めた。ドイツのメディアでは、ハノーヴァー96GKには、防げるチャンスは全くない素晴らしいプレーと称賛された。最早、単なるポテンシャルの高い若い選手ではなくなり、チームになくてはならないエースのひとりとして存在感は抜群である。日本人として、外国人助っ人としての役割を見事にこなしている。

 監督のユルゲン・クロップ(Jürgen Klopp)は、歴史はあるが決してタイトルを取れるようなビッグクラブではない1FSVマインツで長い選手生活を送り、引退後、直ちにマインツの監督に就任している。7年ほど、マインツの監督を務めてドルトムント入りしたのは2年前。若手の育成には評価が高いことで知られているが、今のドルトムントでも若い香川世代の選手を多用して首位を走っている。

 クロップ監督は、しばしば、香川は、アイデアが豊富な選手として褒めちぎるようなコメントが多い。選手のモチベーションを高め能力を引き出すのが上手いと思うのではあるが、FW出身であることが香川にとっては良いことなのかと思うようになった。選手としては華麗な経歴はないものの、クロップ監督は現役時代、ボールの受け方に苦心していたであろうと推察してもよいかもしれないと思い始めた。それが、香川の両足とも自在に蹴れて、しかも、テクニックがあり、ボディバランスにもポジショニングも優れている高いポテンシャルを自由に発揮させている要因なのではと思えてきたのである。つまるところ、香川に自由を与えているのではないかと思うのである。香川はポーカーフェース的で、余り表情を外に出さないシャイな面を感じるのは僕だけではないと思うが、迷いがないかのような溌剌としたプレーは速く正確な判断力がベースになっていると思われるからである。

 今晩、広州で行われたアジア大会初戦で、U21日本代表は素晴らしい試合を見せてくれた。Jリーグ公式戦でレギュラーとして活躍している選手は各クラブの事情で参加していないが、決して、見劣りするようなものではなかった。センターバックの安定感、中盤での構成力、前線での決定力、そして、試合全体での駆け引き、すべてが中国代表に優っていたと思う。山崎亮平選手の思い切りのよくアグレッシブなプレーから先制点が生まれ、チーム全員が伸び伸びと自分を見せる溌剌としたプレーを見せてくれた。自信に満ちたプレーは、チームに利益を観る人々に感動を与えるものであると再確認できた。ロンドン・オリンピック世代も、楽しみが増大したと思う。

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