「フルミネンセが優勝」
Jリーグが終幕した日、ヴィッセル神戸が奇跡的な残留を決め、FC東京がJ2への降格となった。その翌日、ブラジルでは、ブラジル選手権(Campeonato Brasileiro Seria A)の優勝チームが、リオデジャネイロの名門、フルミネンセFC(Fluminense FC)に決まった。サンパウロ市のコリンチャンス、ベロ・オリゾンチ市のクルゼイロと最終節までもつれてはいたが、最終戦も勝利して26年振りのタイトルを獲得した。
日本のファンには親しみのあるヴェルディとレッズでプレーしたワシントン、フロンターレ、コンサドーレ、レッズでプレーしたエジミウソン、そして、ポルトガル代表で活躍したデコのいるチームであって、興味を抱いていたひとも多いかもしれない。古くは、セルジオ越後氏とコリンチャンス時代にレギュラー争いをしたブラジル代表であったホベルト・ヒベリーノ(ロベルト・リベリーノ、元エスパルスの監督)氏が、フルミネンセにタイトルをもたらしたこともあった。
しかしながら、僕にとっては、親しい人物と気になる選手がいて、違ったアングルで注目し続けていた。監督のムリシー・ハマーリョ(Muricy Ramalho)氏はサンパウロFCの監督時代、僕がヴェルディ時代に契約したアモローゾとともにトヨタカップを制している。読売クラブで一緒であったミウトン・クルスはハマーリョのヘッドコーチを務めていた。僕がブラジルに出掛けた時は、いつもハマーリョと会っていたこともあって親近感を持ち続けている。ハマーリョは、ブラジル選手権で4回も最優秀監督賞を受賞しているが、今年は5回目の受賞が確実であると思う。
気になる選手とは、コンカ(Dario Leonardo Conca)である。アルゼンチン代表候補でしかないが、左利きで167cm、58kgの小柄なMFは、攻撃的なセンス抜群のプレイメーカーであって、フルミネンセの優勝の立役者であると思っている。僕がブラジル滞在中に多くの試合を観戦していた時、コンカのスピード溢れるドリブルやテクニック、得点能力の素晴らしさを常に魅せてくれていて、ヨーロッパでも或いは代表でも十分に通用する選手であると印象付けられていたからである。今季、ブラジル選手権38試合のすべてに出場し、9得点19アシストを記録した。警告も2回しかなく、退場もない。チームへの貢献度については、申し分のない活躍ぶりであったと思う。
フルミネンセは、来季のコパ・リべルタドーレスに出場する。タイトルを取れば、クラブ・ワールドカップでその雄姿を見られるはずである。楽しみで、仕方がない。一方、小柄な日本人選手、香川真司がドイツを中心にヨーロッパで素晴らしい活躍とともに大きな注目を浴びている。コンカは27才、いつの日か、コンカと香川のオフェンシブMFの対戦を見たいと思うのは僕だけではないと思いたい。
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