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2011年3月

「東北地方太平洋沖地震支援に協力の会」

2011/03/18(金)

 先ずは、この度、東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。そして、被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、未だに安否の分からない方々のご無事と原発問題なども含めて避難されている方々、計画停電などで苦慮される生活を強いられている方々のご健康をお祈りしたいと思います。

 東日本を襲った未曾有の震災に心痛む世界中の人々がいる中で、昨日、株式会社シックスでサッカーのイベント企画やFリーグの運営などを行っている斎藤紀之氏の提唱により、規模は小さいものの東北地方太平洋沖地震支援に協力する会を有志により食事会を催した。斎藤氏は、阪神大震災が発生した当日、活動を始めたヴィッセル神戸の初代広報部長として辛苦を経験した人物である。元々、プロのクラブを神戸に誘致する活動をしていた人物であり、友人のひとりである。

 ヴィッセル神戸にゆかりのある人たち、10名がこの会に参加した。フリーのアナウンサーである牛尾淳氏、サンテレビのプロデューサーである久保仁氏、アナウンサーの湯浅明彦氏と榎木麻衣さん、初代ヴィッセルガールで現在は女子1級審判員の的崎睦子さん、Webプロデューサーの星野慎一氏、上述の斎藤氏に加えてヴィッセル神戸の和田昌裕監督、吉村光示コーチ、そして、僕を入れて10名のグループであった。半数の参加者は、阪神大震災を経験しており、東日本での大震災を実感できる人々であった。

 開幕したてのJリーグがこのような大惨事による中断を余儀なくされたことに誰もが異論はないにしろ、チームを預かる現場の苦労もあることも理解し合った。目的である公式戦のスケジュールの目処が立たないことから、選手を含めたモチベーションの持ち方は難しい。しかし、サッカーどころではないとする価値観がある一方、サッカーに携わっている人々は活動を停止している訳にはいかない。色々な意見はあるにしても、被災者の方々の状況や電力問題などがあるにしても、Jリーグが再開する時に今までと同様、否、それ以上のパフォーマンスを発揮することで、被災者の方々を含めてサッカーファンやサポーターに楽しさを提供しなければならない責務がサッカーに関わる人々にはあると思う。

 リーグ戦をどのような形式でも、確実に全試合を消化しなければならないということが、集まった人たちの総意である。僕は、個人的に、第二次世界大戦時のイングランドのサッカー事情を思い出していた。書物による間接的な知識しかないが、空襲が日常的であったロンドンでもイングランドのプロリーグが開催されていたことである。戦争に駆り出されたレギュラー選手たちに代わり、十代半ばの少年たちがリーグを継承していたのである。現在、世界最高峰のひとつであるプレミアリーグが存在するのも、こうした歴史的な背景、継承があってのものと思う。

 東日本、否、日本全体を襲った天災は、世界中の人々にも驚愕と悲しみをもたらしてしまった。戦争のような人災と違い、自然災害故に非難する対象は存在しない。しかし、日本が必ず復興することを、世界中の人々は信じているし日本をリスペクトしている。僕も参加した会では、皆が微額であっても義援金を供出した。被災に遭われた方々への気持ちが前提であるが、今後の日本サッカーがすべての人々に心地よく受け入られるためのささやかな希望でもある。日本は、このままでは終わらない。

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「アドリアーノ”マイケル・ジャクソン”」

2011/03/04(金)

 32日のナイトゲーム、日本時間であると翌日の午前中のゲームになるが、注目していた試合があった。ネイマールイトゥルベの対決を、コパ・リべルタドーレス・グループリーグのサントスFC対セロ・ポルティーニョであるけれど楽しみにしていた。ネットにての観戦が可能であったので、ネイマラドーナと新しいメッシの対戦はそれなりに楽しめた。雨のためピッチコンディションは良くなかったが、ふたりとも持ち味はまあまあ見せていたと思う。試合は、ふたりの得点はないにしろ、終了間際にセロ・ポルティーニョのPKによる得点で引き分けに終わり、サントスFCにとっては不満足な結果で終わってしまった。南米中が注目していたカードだけに、少し物足りない結果であったと思うのは僕だけではないと思う。

 翌日、CBF(ブラジル・サッカー連盟)は、マーノ・メネゼス監督が327日に行われる国際親善試合、スコットランド戦の代表メンバーを発表した。当然、注目された瞬間であり、フラメンゴのホナウジーニョ・ガウーショとACミランのホビーニョが外れたことに注目するメディアも多かった。

 しかし、僕は、マーノ・メネゼス監督の選考に様々な印象を持った。その中で、サントスFCのネイマール、サンパウロFCのルーカスのふたりを選抜したことに特別な感慨を抱いていた。先のペルーで開催されたU-20南米選手権で得点を挙げ続けた、十代の選手であったからである。

 ふたりとも、上述の大会後、ブラジルに帰国して在籍クラブとの新規に契約の延長に調印した。報酬が上がったことはもとより、海外からのオファーに対する違約金総額がとてつもなく高額であることもある。イトゥルベがポルトガルのFCポルトと契約済であることと比較すると、ネイマールもルーカスもメッシ、カカー、C.ロナルドに近づく違約金が設定されたのである。しかしながら、近い将来、このふたりだけではないにしろ、ネイマールやルーカスは、やがてヨーロッパのビッグクラブでその雄姿を見せることになると思っている。

 そうした衆目を集める今週、ひとりの若い選手がセンセーショナルなパフォーマンスを魅せた。パルメイラス所属のカルロス・アドリアーノ・ジ・ソウザ・クルス(Carlos Adriano de Souza Cruz )である。昨年、23才になったアドリアーノは、170cmと小柄ではあるが、ゴール前でのポジションニング、裏への突破力が素晴らしい。

 ネイマールやイトゥルベに関心が集中した同時刻、アドリアーノ・マイケル・ジャクソンは、サンパウロ市のパカエンブー・スタジアムで行われたコパ・ド・ブラジル、一回戦で4得点を挙げるヒーローとなって、ネイマラドーナ対エル・ヌエポ・メッシの対決やスコットランド戦のブラジル代表選手選考よりもメディアを賑わせたのである。

 代表に入ることはできなくてもブラジル中の耳目を集める活躍を、アドリアーノ・マイケル・ジャクソンは成し遂げた。今後の活躍を期待できる存在がまたひとり出現したわけであるが、アドリアーノは得点した後に世界中のアイドルであったマイケル・ジャクソンのダンスを真似することから、このようなニックネームがついた。

 明日から、Jリーグが開幕する。Jリーグでも、ネイマラドーナ、エル・ヌエポ・メッシ、アドリアーノ・マイケル・ジャクソンのようなファン、サポーター、そして、メディアをも魅了する新星が出現することを期待したいと多くの人々は願っているのでないかと思う。

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