先ずは、この度、東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。そして、被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、未だに安否の分からない方々のご無事と原発問題なども含めて避難されている方々、計画停電などで苦慮される生活を強いられている方々のご健康をお祈りしたいと思います。
東日本を襲った未曾有の震災に心痛む世界中の人々がいる中で、昨日、株式会社シックスでサッカーのイベント企画やFリーグの運営などを行っている斎藤紀之氏の提唱により、規模は小さいものの”東北地方太平洋沖地震支援に協力する会”を有志により食事会を催した。斎藤氏は、阪神大震災が発生した当日、活動を始めたヴィッセル神戸の初代広報部長として辛苦を経験した人物である。元々、プロのクラブを神戸に誘致する活動をしていた人物であり、友人のひとりである。
ヴィッセル神戸にゆかりのある人たち、10名がこの会に参加した。フリーのアナウンサーである牛尾淳氏、サンテレビのプロデューサーである久保仁氏、アナウンサーの湯浅明彦氏と榎木麻衣さん、初代ヴィッセルガールで現在は女子1級審判員の的崎睦子さん、Webプロデューサーの星野慎一氏、上述の斎藤氏に加えてヴィッセル神戸の和田昌裕監督、吉村光示コーチ、そして、僕を入れて10名のグループであった。半数の参加者は、阪神大震災を経験しており、東日本での大震災を実感できる人々であった。
開幕したてのJリーグがこのような大惨事による中断を余儀なくされたことに誰もが異論はないにしろ、チームを預かる現場の苦労もあることも理解し合った。目的である公式戦のスケジュールの目処が立たないことから、選手を含めたモチベーションの持ち方は難しい。しかし、サッカーどころではないとする価値観がある一方、サッカーに携わっている人々は活動を停止している訳にはいかない。色々な意見はあるにしても、被災者の方々の状況や電力問題などがあるにしても、Jリーグが再開する時に今までと同様、否、それ以上のパフォーマンスを発揮することで、被災者の方々を含めてサッカーファンやサポーターに楽しさを提供しなければならない責務がサッカーに関わる人々にはあると思う。
リーグ戦をどのような形式でも、確実に全試合を消化しなければならないということが、集まった人たちの総意である。僕は、個人的に、第二次世界大戦時のイングランドのサッカー事情を思い出していた。書物による間接的な知識しかないが、空襲が日常的であったロンドンでもイングランドのプロリーグが開催されていたことである。戦争に駆り出されたレギュラー選手たちに代わり、十代半ばの少年たちがリーグを継承していたのである。現在、世界最高峰のひとつであるプレミアリーグが存在するのも、こうした歴史的な背景、継承があってのものと思う。
東日本、否、日本全体を襲った天災は、世界中の人々にも驚愕と悲しみをもたらしてしまった。戦争のような人災と違い、自然災害故に非難する対象は存在しない。しかし、日本が必ず復興することを、世界中の人々は信じているし日本をリスペクトしている。僕も参加した会では、皆が微額であっても義援金を供出した。被災に遭われた方々への気持ちが前提であるが、今後の日本サッカーがすべての人々に心地よく受け入られるためのささやかな希望でもある。日本は、このままでは終わらない。
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