東日本大震災により中断されていたJリーグが、再開する。JFLも同時に開幕し、なでしこリーグも近く開幕する。漸く、日常生活の中にトップリーグが戻ってくることになった。日本が復興するためには、様々な分野で活性化しなければならないと思っている。そのためには、サッカー界でも今まで以上に多くの人々がスタジアムに詰めかけて盛り上げてくれたらと思う。
4月20日、日本時間では翌朝になるが、興味深いカップ戦に心踊らされた。ひとつは、スペイン、ヴァレンシアで行われたCopa del Rey(コパ・デル・レイ)決勝。レアル・マドリーがメッシへのタイトなマークとディフェンシブな戦術で、華麗なポゼッション・サッカーを展開している宿敵、バルセロナに辛勝してタイトルを取った試合。勝つためのモウリィーニョ戦術が功を奏した訳であるが、結果とは、勝ったチームが強いことを証明するものであることを認識せざるを得ないものであった。敗者となってしまったバルセロナのグァルディオラ監督も、レアル・マドリーの強さを認め、潔い。直ちに、CLで再び対戦するスペインのこのクラシコからは目が離せない。
スペインでのこの試合後から3時間程遅れて、リオデジャネイロでは、Copa do Brasil(コパ・ド・ブラジル)のベスト16の試合が行われた。ホーム・アンド・アウェイで行われる第一戦、フラメンゴ対Horizonte(オリゾンチ) FC。僕が興味を抱いたのは、オリゾンチFCであった。理由は、極めて簡単である。初めて、このコパに参加している新興チームであるからである。対戦相手のフラメンゴのスーパーアイドルであったジーコが、自身のトレーニング・センターを無料で相手チームの練習のために提供したことから関心が深まった。
オリゾンチFCは、ブラジル東部の小さな州、セアラー(Ceará)の人口が僅かに55,000人程のオリゾンチ市にある。1933年に創立されたクラブは、長年、アマチュアとして活動してきた。2004年になって、自治体とスポンサーがバックアップしプロ化された新興クラブとして再出発した。同年、10,500人収容のスタジアムも建設され、驚異的なスピードで台頭してきたのである。
コパ・ド・ブラジルは、ブラジル国内の27の州から64チームが参加する大会である。前年の優勝チームはコパ・リべルタドーレスの出場権を得るので、翌年は参加できない。また、リべルタドーレスに出場しているチームも参加しないレギュレーションとなっている。CBF(ブラジル・サッカー連盟)のランキング上位10チームに加えて、各州のリーグないしはカップの覇者などが参加資格を得るカップ戦である。
オリゾンチFCは、アウェイで強豪、フラメンゴに1対1の引き分けを演じてセンセーショナルな好結果を産みだした。アウェイでの得点は、ホームでのアドバンテージをもたらした。プロのクラブとして創立されて、未だ7年目にして快進撃を重ねている。日本に日常的にサッカーが戻る今週、オリゾンチFCは来週水曜日にホームでフラメンゴを迎える。地平線の意味を持つオリゾンチ市は、熱く盛り上がっている。日本国内のサッカーも同様に盛り上がり、復興の一助になれば良いと思わずにはいられない。
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