「ふたつのコパ決勝」
6月15日、ウルグアイのモンテビデオ市にあるセンテナリオ・スタジアムで行われたコパ・リべルタドーレス決勝第一戦は、周知の如く、アウェイのサントスFCがCAペニャロールに対してスコアレス・ドローで引き分けた。生中継の映像を観ていて、決勝戦にふさわしい厳しい試合内容であったと印象付けられた。
どちらのチームもチャンスはあるものの、アウェイのサントスFCの方が優勢であったかのように思う。ネイマールは得点を挙げられなかったし、持ち味は見せられなかったと思っている。しかし、ホームのペニャロールはアドバンテージを活かす術なく、窮地に追い込まれてしまったように感じる。
22日、サンパウロ市のPacaembu(パカエンブー)スタジアムに、サントスFCは決勝第二戦としてペニャロールを迎える。ブラジル選手権でも本来のホームスタジアムより若干大きいパカエンブーでも試合をこなしてきているサントスFCにとっては、第二のホームともいえる。収容能力が37,500人程のコンパクトなスタジアムであるが、歴史もあり、僕も数多く訪れたスタジアムであることはメリットであると思う。入場券は通常よりも高いが、既に売り切れていてサポーターの気持ちは十分に入っている。
アウェイでの引き分けについて、知己のムリシー・ハマーリョ監督は、好結果とのコメントをしている。好セーブをし続けたGKのハファエウは、1963年に最後のリべルタドーレスを勝ち取ったサッカーの神様、ペレの時代を再現できると豪語している。
初戦、得点を挙げることができなかったネイマールは、更なるアドバンテージがペニャロールに対してあると期待している。サントスFCのマエストロと称されているGanso,Paulo Henrique(ガンソ、パウロ・エンリキ)が負傷から戻ってくる可能性がでてきたからである。来月から開催されるコパ・アメリカに、ネイマールもガンソも代表選手として召集されている。ネイマールの得点源のひとつとして、ガンソのゲームメーク、パスは至上なものとして知られている。協力なバックアップが、帰ってくるのである。
チリのブジェウエ火山の60年振りの大噴火により、南米を中心に火山灰による航空便の欠航が多々、続いている。サントスFCの多くのサポーターも、モンテビデオでの入場券を手にしていながら、飛行機が飛ばずに現地での観戦ができなかった。しかし、サントスFCのサポーターは、次の航空券の準備に取り掛かっている。それは、コパ・リべルタドーレスに優勝した贔屓のチームがクラブ・ワールドカップに出場し、今冬、日本での観戦ができるものと信じているからである。
実は、一週間前の6月8日、ヴァスコ・ダ・ガマが創立113年目にしてコパ・ド・ブラジルの初タイトルを獲った。リオデジャネイロのヴァスコ・ファンの騒ぎ方は、尋常ではなかった。22日、サンパウロ市、いや、サントス市が熱狂の最中に陥るかも知れない。増して、サントスFCは創立100周年を迎えようとしているから尚更である。
そして、FIFA U-17, U20, FIFA女子ワールド・カップ、コパ・アメリカが間もなく開幕する。楽しみが、続き過ぎる至福をも感じてしまう。
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