なでしこジャパンのワールドカップ初優勝の歴史的快挙に、未だに日本国中ではフィーバーが冷めない日々が続いている。帰国して間もなくのなでしこリーグの観客数の多さには、驚かされているとしか表現の仕方が見つからない程である。平均的なJリーグの試合観客数を超える状況は、一過性ではなく、これから、なでしこを目指す多くの少女たちが出現することを期待したいと思う。
一方、コパ・アメリカは、ウルグアイが最多の15回目の優勝で幕を閉じた。決勝戦でのLa Celeste(ラ・セレステ)は、昨年の南アフリカでのワールドカップでの活躍、実力が事実であることを証明した。大会の最優秀選手となったルイス・スアレスとワールドカップで最優秀選手となっていたディエゴ・フォルランは、世界最高の2トップとも言えるのではないかと思うほど素晴らしいパフォーマンスであったと思う。
なでしこジャパンは凱旋帰国から国内の人気の的であるが、ウルグアイの盛り上がりも凄まじい。空港に空前のファンの数が詰めかけたし、センテナリオ・スタジアムには、未明の時間にも拘わらず数万の国民が優勝報告を見届けるために参集したとの報道もあった。
なでしこは、日本人女性がサッカーを行うに適した技術とバルセロナばりのポゼッション、パスワークの戦術、パフォーマンスが徹底されていたと思う。ウルグアイもまた、伝統的な堅守をベースにカウンターアタックが功を奏していた。そして、共通していたことは、諦めないという強い精神力が前提にあったと思う。そして、チームに、一体感があった。
ウルグアイは、U-20が先のU-20南米選手権で84年振りのオリンピック出場権を獲得しているし、今月末からコロンビアで開幕するFIFA U-20ワールドカップでも期待されている。今年、メキシコで行われたU-17FIFAワールドカップでも準優勝して、若年層の強化、育成が上手く進んでいる。日本も、ウルグアイが成果を見せ始めたように、男女合わせて成果を高めて欲しいと思う。
ブラジル代表は、チームが若手選手への切り替えもあり過渡期にあるものと思われる。コパ・アメリカでの決定力のなさや戦い方に、僕の周囲の人々は、こんなのブラジル代表ではないと嘆くひとが多かった。しかし、内容の良い試合は少なかったが、タレントは多く、そして、チームは、熟成までの時間を必要であると思っている。
そうした状況の中、Campeonato Barsileiro(ブラジル選手権)第12節で、歴史に残る激闘が展開された。7月27日、サントス市にあるヴィラ・ベルミーロで、サントスFCはフラメンゴと対戦した。サントスは、前半半ばで3-0のリード。しかし、ここからドラマは始まった。フラメンゴは、前半終了までに3点のハンデを跳ね返した。後半早々ネイマールの得点でリードを許すが、終わってみればフラメンゴが5-4と素晴らしい逆転勝ちを収めたのである。サントスFCのネイマールはドリブル、パス、シュートで2得点、そして、ゲームをクリエイトした。輝きのあるパフォーマンスは、サポーターを魅了した。しかし、”R10”フラメンゴのホナウジーニョ・ガウショが、今季のフラメンゴで最高のプレーを見せた。バルセロナ時代のジャンプをした相手DFの作る壁の足元を狙うグランダーのFKで、サントス・サポーターを沈黙させてしまったしハットトリックを成し遂げてしまったのである。活躍したはずのネイマールも、試合後、R10は天才であるとコメントしている。ブラジルらしい攻撃的なサッカーが戻ってきた記憶に残る試合となって、ブラジルは再び自信を取り戻し始めた。なでしこやサムライブルーに注目しながらも、8月10日、セレソンの親善試合、ドイツ代表戦も楽しみにしたい。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)