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2011年10月

「ネイマールの日本語」 

2011/10/23(日)

 Jリーグも余すところ4試合となり、柏レイソル、ガンバ大阪、名古屋グランパスの優勝争いが面白くなってきた。シーズンが極めて似ているブラジルでも、ブラジル全国リーグ(Brasileirão, Campeonato Brasileiro)も、残り7試合、8試合となって、優勝争い、そして、来季のコパ・リべルタドーレスの出場権獲得争いが壮絶になっている。Jリーグ最終節の翌日、ブラジルでも最終節を迎える。クラブ創立100周年を超えたコリンチャンスがトップを走っているが、ヴァスコ・ダ・ガマ、ボタフォゴ、フラメンゴ、フルミネンセ、サンパウロ、インテルナショナウ、フィゲレンセなどが僅差でリーグ戦も佳境に入ってきて実に興味溢れる状況である。

 今季のコパ・リべルタドーレスのチャンピオンとなりクラブ・ワールドカップに出場するサントスFCは、代表に選手を輩出してリーグ戦を戦うことが多かったため優勝を狙うことは難しくなった。そのサントスFCのブラジル代表FWのネイマールが、サントスFCのオフィシャルサイトでインパクトのある登場をしている。ネイマール自身がクラブ・ワールドカップについて、日本語でコメントを伝えている。「私の名前は、ネイマールです。サントスのフォワードです。12月に、日本に行きます。応援、よろしくお願いします。」はっきりして聞き取り易いネイマールの日本語での挨拶は、好評である。史上最強とも称されるバルセロナFCとの対戦を楽しみにしているネイマールは、ロンドン・オリンピックまではサントスFCに残留することを公表している。ブラジル人選手として、サントスFCでファースト・ステージの集大成として、バルセロナFCに勝利することを目標としている。時間の問題で、来季は、レアル・マドリーかバルセロナなどのヨーロッパの強豪クラブに移籍することは間違いのないところである。

 一方、FIFAから2014年のワールドカップ、前年のコンフェデレーション・カップの会場、日程も公表された。日本代表、スペイン、ウルグアイ、メキシコ、開催国ブラジルなどが出場するコンフェデレーション・カップは、決勝戦をリオ・デ・ジャネイロのマラカナンで行われる。

 ワールドカップは、ベロ・オリゾンチ、リオ・デ・ジャネイロ、サンパウロ、ブラジリア、クィアバー、ナタウ、フォルタレーザ、フェシーフェ、サルバドール、ポルト・アレグリ、クリチーバ、マナウスの12都市の会場が決定している。3試合を戦うグループ予選は、最も厳しい移動距離となると、数千kmとなる。日本代表が予選を勝ち抜いてワールドカップに出場することを信じているが、チームもサポーターもジャーナリストも大変な移動になることもあり得るかなと思い始めている。

 開催国ブラジルがサンパウロの新スタジアム、コリンチャンスのイタケロン(Itaquerão)で開幕戦を戦う。そして、決勝戦はリオ・デ・ジャネイロのマラカナン(Maracanã)で行われる。現時点で、日本代表の出場は決定していないが、出場できたとして、どのグループに入るかによっては予選での大移動も想定される。いずれにしても、とても楽しみなワールドカップが、そして、ネイマールの日本語によるメッセージを聞いていると、12月のクラブ・ワールドカップに思いが弾んで仕方がない。

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「パン・ジ・ケージョ」

2011/10/03(月)

 パン・ジ・ケージョ(Pão de quejo)、ブラジルでは毎日食されているチーズパンである。大福ほどの大きさで朝食に向いていて、僕の大好物のひとつである。先月、28日、パラー州のベレンで行われたコパ・ロカ第2戦、ブラジル代表がアルゼンチン代表に20で快勝し、タイトルを勝ち取った。18才のサンパウロFC所属のルーカスとサントスFC所属のネイマールの素晴らしい得点で、アルゼンチンを一蹴した。

 試合をテレビで観戦していて、何故かパン・ジ・ケージョの味を思い出していた。理由は簡単で、ブラジルらしさ、ブラジルの日常が戻ってきた感じを抱いていたからだ。毎日、食するパン・ジ・ケージョのように、セレソンがブラジルらしいサッカーを展開したからである。

 今月7日、11日、コスタリカとメキシコとの親善試合を行うセレソンは、マーノ・メネーゼス監督が国外でプレーしている選手を多く召集しているが、オリンピック代表世代のブラジル国内でプレーしている選手も融合させようとしている。2014年の自国でのワールドカップに向けての準備は、確実に進めているように感じている。

 ネイマールに続いて、ルーカスのポテンシャルの高さも活用し始めた。ネイマール、ルーカスだけでくなく、インテルナショナウのオスカールや負傷中ではあるがサントスFCのガンソなど、セレソンの若返り、強化は、少しずつ高まりつつあると感じる。今回のアルゼンチン戦で、ボタフォゴのコルテスも使える目処が立ち始めて、左サイドバックのバックアッパーも見つけた。

 セレソンにとっては、2013年の日本代表、ウルグアイ、スペイン、メキシコなどが参加するコンフェデレーション・カップまで、公式戦がない。代表の強化は、違った意味で難しいと思われている。しかし、オリンピックへの出場権を獲得しているブラジルにとっては、親善試合ではあるが世代交代、ないしは世代の融合を試せる絶好の機会であるように僕には思われる。ブラジルらしさが戻りつつあって、今後のチーム作りに興味を覚える。

 一方、アルゼンチンは、コパ・ロカでのブラジル戦メンバーに、ブラジルのクルゼイロで活躍中のモンティージョ(Montillo)を起用した。オフェンシブのMFであるモンティージョは、今季もブラジル全国リーグで得点ランキング3位、昨年は最優秀MF賞を獲得している逸材であるが。アルゼンチン代表のサベージャ監督は、やはり、7日、11日のワールドカップ予選には国外組の選手のみの召集をして戦うことを決定している。

 僕にとっては、若年層の発掘、起用をしているブラジルの方が選手層をより厚くしていて、アルゼンチンよりも2014年をより近い視野に入れているように思われてならないのではあるが、若い世代が頭角を現し始めている日本代表のワールドカップ予選、タジキスタン戦をも含めて、世界各地のワールドカップ予選、ユーロ予選、親善試合に心は躍っている。

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