« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »

2011年11月

「54,815人」

2011/11/23(水)

  54,815人、1120日に行われたブラジル全国リーク・セリエD(Campeonato Brasileiro Série D)、決勝第2戦の観客数である。会場は、ブラジル北東部のペナンブッコ(Pernambuco)州のヘシーフェ(Recife)市にあるアッフーダ・スタジアム(Estádio Arruda)、キャパシティが6万人程のサンタ・クルス(Santa Cruz)FCのホームスタジアムである。

 ブラジル全国リーグは、1月末から5月初旬までの各州リーグが終了してから行われている。セリエABは、それぞれ、20チームによるノーマルなリーグ戦。セリアC20チームの参加であるが、4ブロックに分けた一次リーグ、2ブロックでの二次リーグ、そして、決勝戦が行われる。セリエDは、2009年から始まった最も新しいリーグであり、今シーズンが3度目の開催となっている。即ち、4部リーグに相当する。

 セリエDの参加チーム数は、408グループに分けられ、5チームでのホームアンドアウェイのリーグ戦を行い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出し、R16からもホームアンドアウェイで行われる。セリエABCJリーグ最終節と同時期に終了するが、セリエDは、2カ月程遅れて開幕し、1120日が最終戦であった。

 決勝戦は、サンタ・クルスFCとミナス・ジェライス(Minas Gerais)州のジュイース・ジ・フォーラ(Juiz de Fora)市にあるトゥピ(Tupi)FC、どちらも1913 1912年創立の歴史あるクラブ同士の対戦。第1戦は、トゥピFCがホームで10と勝利しており、ホームに迎えるサンタ・クルスFCのサポーター、ファンを含めてヘシーフェ市は盛り上がった。試合の三日前で、前売り券の売り上げが32,100枚と公表されていたので、どのような結果になるものか興味を抱いていた。

 試合は、アウェイチームのトゥピFCが第2戦も20で勝ち、初優勝を成し遂げた。サンタ・クルスFCは準優勝ではあるが、来シーズンのセリエCへの昇格を果たした。そして、結果とは別に驚かされたことが観客数。ほぼ満員の54,815人の大観衆が、スタジアムに詰めかけたことであった。言い換えれば、4部リーグの決勝、全国で61位と62位のクラブ順位決定戦でもあるとも思えたからである。

 2011シーズンのセリエDの各クラブの1試合の平均観客数も発表されており、ホームスタジアムのキャパが4,000人、5,000人、10,000人前後のクラブも多いこともあり、平均観客数が100人台のクラブもあった。そうした中で、サンタ・クルスFCは、驚異的に最高の37,869人を1試合の平均観客数として集めた。しかも、決勝戦を含むホームゲームの試合数は16でありながら、半数の8試合のそれぞれで25,000人以上の集客を記録したのである。優勝がかかった試合に、54,815人もの観客がスタジアムに集結することは意外でもなく、至極普通の成行きであったことが分かった。目下、セリエAも残り2試合、Jリーグと同じ。コリンチャンスの勝ち点67とヴァスコ・ダ・ガマの勝ち点65のタイトル争いは、柏レイソルと名古屋グランパスの覇権争いに似ているようにも感じる。Jリーグも残り2節、多くの観衆でスタジアムが埋め尽くされることを期待したい。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


「バルセルーザ、Barcelusa」

2011/11/09(水)

 119日、今朝、ブラジル人の友人とスカイプで話をしていた最中、ポルトゲーザ・ルーザ(Portuguesa Lusa, Associação Portuguesa de Desportes)のブラジル全国リーグセリエBの優勝が決まった。ブラジル在住のブラジル人は、サッカー関係者。TVで観戦していながら、僕と会話をしていたのである。ポルトゲーザ・ルーザは、来季、セリエAでの参戦が既に決定していたが、優勝することで華を飾ったということが言えると思う。

 ブラジルでは、多くの名門クラブがあり、そのことは、日本でも知られている。サンパウロ州に限っては、コリンチャンス、サンパウロFC、パルメイラス、サントスFCなどが著名であるが、5大クラブとしてポルトゲーザ・ルーザも伝統あるクラブとして認識されている。前者の4クラブには遠く及ばず、大きな成功を収めることができなかったが。

 残り3試合のセリエBで優勝を決めたことには、大きな理由があった。攻撃的な戦術を、ジョルジーニョ(Jorge Luís da Silva)監督のもとで継続し続けたことにある。バルセルーザ(Barcelusa)のニックネームで圧倒的な強さを見せたのは、本家本元、スペインのFCバルセロナを連想させるものがあった。12得点のEdno11得点のAnarias10得点のHenrique

それは、メッシを始めとするバルセロナと類似した攻撃力の凄さを発揮し続けている。恐れることなく攻撃に力を注いだジョルジーニョ監督は、選手時代、ポルトゲーザ・ルーザのアイドルとして活躍した存在でもある。いくつかのクラブでプレーを続けた経緯はあるが、グァルディオラ・バルセロナ監督と被る意識を持つファン、サポーターも多いに違いないと思ってしまった。

 僕自身、ポルトゲーザ・ルーザのトレーニングセンターやスタジアムのカニンデ(Canindé)には多く訪ねたことがある。カニンデは、西京極陸上競技場のような雰囲気にも似た印象があり、大きくもなく近代的でもない。1920年創立のクラブは、大きなタイトルを取れずに今日に至っている。そのポルトゲーザ・ルーザのマスコットが、実は、ライオンである。今、なでしこリーグの初優勝が間近となったINAC神戸レオネッサも、ライオンというイタリア語がチームネームとなっていることを知っている。もしかすると、今年はウサギ年ではなくライオンの年であるのかもしれないと幼児的な連想をもしてしまっている。

 カニンデには、大観衆が詰めかけた。歓喜の一瞬に遭遇するためである。ブラジル全国リーグ・セリエAも、佳境に入っている。残り5試合。勝ち点3差の中に、コリンチャンス、ヴァスコ、フルミネンセ、ボタフォゴ、フラメンゴがタイトル争いとコパ・リべルタドーレスの出場権を争っている。先日、フラメンゴは、入場料を減額してまでもファンやサポーターの応援を呼び掛けた。クルゼイロ戦、4万近くの観客を集め、快勝してタイトル争いに踏みとどまった。

 J1昇格が見えてきたサガン鳥栖、初優勝が目前のINAC神戸でも、ホームスタジアムに1万人以上の観客が観戦した。面白く攻撃的なサッカーを展開し実績を作りつつあるクラブに、ファンは自然と興味を抱くものが普遍なものと再認識させられている。サムライブルーも、タジキスタン戦、北朝鮮戦での結果次第では、潜在的なサッカー・ファンをより多大なものにして欲しいと思う昨今である。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »