54,815人、11月20日に行われたブラジル全国リーク・セリエD(Campeonato Brasileiro Série D)、決勝第2戦の観客数である。会場は、ブラジル北東部のペナンブッコ(Pernambuco)州のヘシーフェ(Recife)市にあるアッフーダ・スタジアム(Estádio Arruda)、キャパシティが6万人程のサンタ・クルス(Santa Cruz)FCのホームスタジアムである。
ブラジル全国リーグは、1月末から5月初旬までの各州リーグが終了してから行われている。セリエA、Bは、それぞれ、20チームによるノーマルなリーグ戦。セリアCも20チームの参加であるが、4ブロックに分けた一次リーグ、2ブロックでの二次リーグ、そして、決勝戦が行われる。セリエDは、2009年から始まった最も新しいリーグであり、今シーズンが3度目の開催となっている。即ち、4部リーグに相当する。
セリエDの参加チーム数は、40。8グループに分けられ、5チームでのホームアンドアウェイのリーグ戦を行い、各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出し、R16からもホームアンドアウェイで行われる。セリエA、B、CはJリーグ最終節と同時期に終了するが、セリエDは、2カ月程遅れて開幕し、11月20日が最終戦であった。
決勝戦は、サンタ・クルスFCとミナス・ジェライス(Minas Gerais)州のジュイース・ジ・フォーラ(Juiz de Fora)市にあるトゥピ(Tupi)FC、どちらも1913年 と1912年創立の歴史あるクラブ同士の対戦。第1戦は、トゥピFCがホームで1対0と勝利しており、ホームに迎えるサンタ・クルスFCのサポーター、ファンを含めてヘシーフェ市は盛り上がった。試合の三日前で、前売り券の売り上げが32,100枚と公表されていたので、どのような結果になるものか興味を抱いていた。
試合は、アウェイチームのトゥピFCが第2戦も2対0で勝ち、初優勝を成し遂げた。サンタ・クルスFCは準優勝ではあるが、来シーズンのセリエCへの昇格を果たした。そして、結果とは別に驚かされたことが観客数。ほぼ満員の54,815人の大観衆が、スタジアムに詰めかけたことであった。言い換えれば、4部リーグの決勝、全国で61位と62位のクラブ順位決定戦でもあるとも思えたからである。
2011シーズンのセリエDの各クラブの1試合の平均観客数も発表されており、ホームスタジアムのキャパが4,000人、5,000人、10,000人前後のクラブも多いこともあり、平均観客数が100人台のクラブもあった。そうした中で、サンタ・クルスFCは、驚異的に最高の37,869人を1試合の平均観客数として集めた。しかも、決勝戦を含むホームゲームの試合数は16でありながら、半数の8試合のそれぞれで25,000人以上の集客を記録したのである。優勝がかかった試合に、54,815人もの観客がスタジアムに集結することは意外でもなく、至極普通の成行きであったことが分かった。目下、セリエAも残り2試合、Jリーグと同じ。コリンチャンスの勝ち点67とヴァスコ・ダ・ガマの勝ち点65のタイトル争いは、柏レイソルと名古屋グランパスの覇権争いに似ているようにも感じる。Jリーグも残り2節、多くの観衆でスタジアムが埋め尽くされることを期待したい。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)