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2012年6月

「ヨーロッパも南米も熱い」

2012/06/23(土)

 EURO2012が始まって以来、時差との戦いで睡魔と親しくなってしまっている。多くのひとも同じ症状に罹っているのでないかと思っている。

 先程、ドイツの準決勝進出のギリシア戦を観た。勝利を決定したケディラの素晴らしいボレーシュートには、睡魔が遠のく感動を貰えたように思う。決勝は、攻撃的なスペインとドイツの対戦であって欲しいと思いたいし、そうなるような気もする。

 一方、南米、そして、ブラジルも熱い。連日、コパ・リべルタドーレスとコパ・ド・ブラジルの準決勝を観戦した。コパ・リべルタドーレスは、33歳になったリケルメが率いるボカ・ジュニオ―レスが第1戦、ホームでの2-0で勝利したアドバンテージを活かしてアウェイでのウニヴェルシダ・デ・チレとスコアレスドローで決勝進出を余裕で決めた。

 メッシと比較されがちなネイマールを擁するサントスFCに注目していたが、アウェイで1-0で先勝していたコリンチャンスがホーム、パカエンブー・スタジアムでネイマールにゴールを決められたものの1-1のドロー。コリンチャンスは創立100年を越えて、初めてコパ・リべルタドーレスの決勝に進出した。

 コパ・ド・ブラジルも熱い。サンパウロFCは人気チームのひとつであるが、パラナ州のコリチーバFCと戦い、決勝進出はならなかった。そして、サンパウロ勢のライバル、パウメイラスは順調に決勝に駒を進めた。

 現時点で、コリンチャンスはブラジル選手権最下位、パウメイラスも17位で2部降格圏内にいて不調ではあるが、決勝に勝てば、来季のコパ・リべルタドーレスの出場権を獲得できる。UEFAチャンピオンズ・リーグに出場すれば多額の収入を得られることと同様、コパ・リべルタドーレスに出場すれば同様に収入が多く入る。コリンチャンスは初タイトルを目指しつつ、パウメイラスは来季に向けてコパ・ド・ブラジルの制覇に集中している。

 EURO2012が準決勝を迎える頃、コリンチャンスとボカが激突するコパ・リべルタドーレスとコパ・ド・ブラジルの決勝第1戦が行われる。そして、EURO2012のチャンピオンが決定して間もなく、ふたつのコパの決勝第2戦が行われる。7月の第1週は、ヨーロッパと南米で、世界中が注目する新たなチャンピオンを見られることになる。

 ブラジル在住のパラネンセ(パラナ州人)のブラジル人コーチとよく話をしているが、彼はコリンチャンスの決勝進出を予想していた。パウリスタ(サンパウロっ子)ではないので、冷静に客観的にコリンチャンスのアドバンテージを感じていたのに間違いない。コパ・ド・ブラジルについては、クリチーバ市にあるコリチーバFCに声援を送ることは間違いないと思っている。彼も、コリチーバFCOBでもあるからである。

 もうしばらく、睡魔というライバルと戦いと思いながら、貴重な感動とも接したいと思う。サッカーは、やはり素晴らしい。

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「リーグ戦不振のサンパウロ勢のカップ戦」

2012/06/19(火)

  ブラジル全国リーグ、ブラジル選手権(Brasileirão, Campeonato Brasileiro) は、5試合を消化しただけにすぎないが、2部降格圏にパウメイラス、サントスFC、コリンチャンスが喘いでいる。

 目下、パウメイラスは20チーム中18位、サントスは17位、コリンチャンスは最下位である。リーグ序盤戦でもたついているチームではあるが、ブラジル時間の20日のナイトゲームでは重要な大一番を迎える。

 優勝すれば来季のコパ・リべルタドーレスの出場権を勝ち取ることのできるコパ・ド・ブラジルの準決勝第2戦を、パウメイラスとサンパウロFCが戦う。パウメイラスは第1戦、グレミオに2-0で勝利しており、サンパウロFCはアウェイでコリチーバFC1-0で勝利、サンパウロ勢のアドバンテージの揺るぎはない。

 一方、クラブ・ワールドカップの出場資格を得られるコパ・リべルタドーレス準決勝第2戦も、コリンチャンスのホーム、パカエンブー・スタジアムで行われる。コリンチャンスは、アウェイでサントスが8ヶ月間負けていなかったヴィラ・ベルミーロで1-0で第1戦を勝利している。得点者は、Jリーグでも活躍したエーメルソン・シェイク。しかし、エーメルソンは、得点を挙げた後にレッドカードを貰い第2戦は出場停止となってしまった。

 パカエンブー・スタジアムは、40,199人収容のコンパクトなスタジアムで、閑静な場所にある。サントスFCは、アウェイながら13,000枚のチケットをサポーターに供給できたという。強烈なサポーターとして知られるコリンチアーノに対抗して、キャパの三分の一をサンチスタが詰めかけることはサントスにとっては頼もしい。

 サントスもコリンチャンスも、日曜日のリーグ戦はリザープチームで戦い、共に敗れている。コパ・リべルタドーレスのため主力を温存した。ネイマールは、代表の試合もあって、かなり疲労していると思われている。ガンソは怪我から復帰、契約を延長する見込みでサントスへの忠誠心を示している。

 サントスFCOBでありリべルタドーレスのタイトルを取ったことのある神様ペレは、勝者の精神があれば勝てるとコメントしている。サントスFCの黄金時代を築いたペペ(ジョゼ・マシア)は、1963年にボカ・ジュニオールスに勝って優勝した再現を期待している。ボカはウニヴェルシダー・デ・チレに2-0で勝利しており、決勝進出の可能性が高いからである。コリンチャンスはディフェンシブに来るであろうし、セットプレーも注意すべきであるとも語っている。

 Euro2012 は、ベスト8が決定しつつある。世界中が注目するスペインやドイツ、C・ロナルドなどのポルトガルの今後に興味は尽きない。しかし、今冬、チェルシーFCと対戦するであろうリべルタドーレスの覇者も来月4日は決定する。

 サントスFCもコリンチャンスも、チームカラーは白と黒。サントス市にある海辺の白黒と内陸の白黒の両チームが、試合で白黒の決着をする。

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「24歳クァルテットが躍動」

2012/06/08(金)

 ワールドカップ・アジア最終予選、日本代表がオマーン戦に完勝した試合の前に、南米予選のアルゼンチン対エクアドルの試合をTV観戦した。進境著しいエクアドルではあったが、ホームで戦うアルゼンチンは本来の攻撃力と強さを取り戻したと感じた。

 リオネル・メッシがFCバルセロナでプレーするようなポジショニングでチャンスを作り、自らも得点を挙げる次元の高いパフォーマンスでチームをけん引していた。そして、レアル・マドリッドのアンフェル・ディ・マリアも攻撃的センスが大きく勝利に貢献していたとも感じた。

 試合は4-0でアルゼンチンの快勝。前半の19分のマンチェスター・シティのセルヒロ・アグエロの先制点から、29分のレアル・マドリッドのゴンサロ・イグアイン、31分のメッシと、13分間でのゴールダッシュは圧巻であった。そして、後半、ディ・マリアが追加点を挙げて、グループ予選で暫定首位になった。

 この試合は、現地、アルゼンチンでは62日のナイトゲーム。この日は、アグエロの24回目の誕生日であった。自らバースディゴールを決めて、思い出深い試合になったのではないかと思う。

 実は、この試合の得点者すべてが、24歳であった。メッシとイグアインは、年内には25歳になるが、24歳クァルテットの華麗なるゴール・ショーであると深く印象付けられた。そして、69日には、アメリカ合衆国、ニュージャージーでブラジルとの親善試合を行う。24歳クァルテットは、ブラジルも脅威に感じているに間違いない。

 一方、セレソン、ブラジル代表は、ACミランのセンターバック、チアーゴ・シウヴァ、レアル・マドリッドの左サイドバック、マルセーロ、FCポルトからチェルシーへの移籍が決定的なフッキがOA枠で参加しているオリンピック向けのチームである。2週間ほどで、4試合の国際親善試合をこなす。勝利したデンマーク、アメリカ、敗戦してしまったがメキシコ戦、そして、アルゼンチンも含めて、対戦相手はフル代表である。ロンドン・オリンピック優勝に賭ける準備に余念はない。そして、攻撃的なスタイルに戻りつつある。

 ところで、少し気の早い話であるが、リオデジャネイロ・オリンピックに新たな新星が出現してきた。ヴィクトール・アンドラージ(Victor Andrade)、サントスFC16歳のフォワードである。既に、ヨーロッパの複数のクラブが獲得を目指している。新たなホビーニョと言われ、小柄ながらスピード溢れ、決定力のあるネイマールの後継者と称するひとも多い。

 そのヴィクトール・アンドラージが、先日、ブラジル全国リーグ(Campeonato Brasileiro)のフルミネンセ戦で出場時間は短いもののデビューを飾った。U19日本代表も参加し4位に終わった南アフリカでの8カ国によるU19の国際大会で、ブラジルは決勝でアルゼンチンに2-0で勝ち、優勝を決めていた。ヴィクトール・アンドラージは、この大会での活躍を認められて初めてトップリーグに出場できた。

 日本代表のワールドカップ予選は目を離せないが、U19でブラジルがアルゼンチンに勝利して1週間後の両国の親善試合も興味をそそられる。

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