ユーロ2012のハイレベルな試合を見続けて、睡魔との戦いもハードであった日々も懐かしくなる昨今であるが、再び、ロンドンオリンピック開幕が間近となり新たに楽しい深夜を迎える時が訪れる。
スペインのユーロ連覇は素晴らしいし、イタリアがスタイルを変えてポゼッションに拘る変貌をし始めたことも楽しめた。そして、開催国ウクライナもポーランドも美しいスタジアムを用意していたことに感動さえ覚えた程である。
先日、ブラジルサッカーに精通しているフリーランスライターの下薗昌記氏と会食した。当然の如く、コパ・リべルタドーレス決勝の話題で盛り上がった。サンパウロ市のパカエンブー・スタジアムの決勝セカンドレグ、コリンチャンスはブエノスアイレスでのファーストレグに引き分けていたので、ボカジュニアーズよりもアドバンテージを持っていた。
アウェイで21才のホマリィーニョが途中出場、初タッチで華麗な同点ゴールを決めてセンセーショナルなデビューを飾っていた。
一方、コリンチャンスはホームで、日本で活躍したエメルソン・シェイクの鮮烈な2得点でタイトルを勝ち取った。アシストした元鹿島のダニーロの落ち着き、ゲームのコントロール、ベテランらしいゲーム作りは素晴らしかった。試合終了後も、長い時間、コリンチアーノはスタジアムから去らなかった。クラブ創立100年を超えて初めて獲得したリベルタドーレス、交通機関がなくなった深夜でもサポーターは歓喜に浸っていて、これもまた、感動的なものであった。以前、サンパウロFCがタイトルを獲った時、僕もサンパウロに滞在していたことがある。夜中の3時過ぎ、熟睡中のホテルでサンバウリーノの市内を大行進する騒々しさにたたき起こされたことを思い出した。当夜のサンパウロ市内は、コリンチアーノの不夜城と化していたと容易に想像できた。
ロンドンオリンピックの話題になって、僕は、レアル・マドリーの24才の左サイドバック、マルセーロのパフォーマンスに大きな期待を寄せている。マーノ・メネゼス現セレソン監督になってから、A代表でも著しい活躍を見せているからである。サイドバックならが、最近の代表5試合で3得点を挙げており、運動量豊富であり、スピード、テクニックにも優れ、決定力のあるマルセーロに注目している。
マルセーロは10代でフルミネンセでデビュー、そして、頭角を現しレアル・マドリーに移籍、そして、現在では、ヨーロッパの最高の左サイドバックとの評が高い。そして、同じくフルミネンセを経由してACミランでプレーしているセンターバック、チアーゴ・シウヴァもオリンピック代表の重鎮である。両選手とも、北京大会に続いての2度目のオリンピック出場となる。オリンピック出場経験のあることは、ストロングポイントのひとつであると思う。
ネイマール、レアンドロ・ダミアン、アレシャンドリ・パト、ルーカス、オスカール、ガンソなど錚々たる攻撃陣用のブラジルは、初めての金メダル獲得の可能性が高い。オーバーエイジ枠にマルセーロ、チアーゴ・シウヴァ、日本で馴染みの攻撃力あるフッキを起用したマーノ・メネゼス監督の戦いぶりは注目したい。
そして、ルイス・スアレスをOA枠で登用するウルグアイ、ユーロ・チャンピオンのスペイン、開催国のイギリスがメダルに最も近い国と思いつつ、日本の活躍にも期待したい。
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