ブラジルでは、既に、2013年のシーズンが開幕している。サントスFC所属のネイマールが、絶好調である。サンパウロ州リーグ(Campeonato Paulista)で2試合消化時点で3得点、チームを2連勝に導き、トップを快走し始めている。圧巻は、開幕戦のサン・ベルナルドの試合、2得点を挙げたが、それ以上に驚かされたことがあった。ネイマール自身、数多く相手チームの選手からファールを受けたが、6枚のイエローカード、レッドカードを誘発させたのである。バルセロナFCのメッシがゴールを量産しているが、ネイマールの今シーズンも楽しみが増大すると感じた。
そのネイマールもかつて出場しながらタイトルを取れなかった大会が、コパ・サンパウロ・ジ・ジュニオール(通称、コピーニャ、Copinha, Copa São Paulo de Futebol Junior)。今回で44回目の開催となったU-19の大会である。今回はブラジル全土から100のクラブが参加し、1月4日から1月25日まで、サンパウロ州内の25を超える会場で行われた。世界中からスカウトが集まり、逸材はブラジル代表選手となり得る大会である。
コピーニャは、100チームを25のグループに分けて、1回戦総当たりの予選リーグを行う。各グループの首位チームと各グループで成績の良い7チームが、32チームで競う決勝トーナメントに進出した。優勝するためには、8試合戦わなければならない。
準決勝で、ヒーローが誕生した。パウメイラスに3-2で勝利したサントスFCのネイウトン(Neilton Meira Mestzk)、1994年2月17日生まれの18才。ネイウトンは、この試合のサントスFCのすべての得点を挙げてハットトリックを成し遂げた。予選リーグではベンチにいて起用される機会はなかったが、センセーショナルなパフォーマンスを魅せて、一気にヒーローとなった。
ネイウトンは、166cm、57kgとネイマールよりも小柄。しかし、髪型や風貌は、ネイマールとそっくり。スピード、ドリブル、テクニック、決定力などすべてが、サポーターやメディアに、”ネイマールのクローン”と印象付けた。ネイウトンは、髪型だけしか似てないと謙虚であるが、これからが楽しみな選手が出現してきた。すぐさま、トップチームで試合に出場は叶わないかもしれないが、多くの注視を集めている。
コピーニャは、有望な若手の登竜門である。ネイマールも、そして、多くの代表選手もこの年代で、この大会で注目をされた。決勝は、サンパウロ市が1554年に創設された1月25日。サントスFCのサポーター、サンティスタ(Santista)は、25,000人以上も詰めかけてパカエンブーで行われた。もうひとつのファィナリスト、ゴイアスのGMは友人のカッシウス・ハットマン、残念ながら、初優勝という夢は友人に届かず、サントスFCが1984年以来の2度目のタイトルを獲得した。パカエンブー・スタジアムには、最強のサポーターとして、ネイマール自身も参戦した。ネイウトンは決勝でも得点しチームを優勝に導いたが、タイトルを獲得したジュニオールの後輩の選手達と同じようにネイマールは歓喜していた。ネイマールの活躍と並行して、”ネイマールのクローン”と称されたネイウトンも楽しみな存在である。
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