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2013年1月

「ネイマールの”クローン”がヒーローに」

2013/01/27(日)

 

 ブラジルでは、既に、2013年のシーズンが開幕している。サントスFC所属のネイマールが、絶好調である。サンパウロ州リーグ(Campeonato Paulista)2試合消化時点で3得点、チームを2連勝に導き、トップを快走し始めている。圧巻は、開幕戦のサン・ベルナルドの試合、2得点を挙げたが、それ以上に驚かされたことがあった。ネイマール自身、数多く相手チームの選手からファールを受けたが、6枚のイエローカード、レッドカードを誘発させたのである。バルセロナFCのメッシがゴールを量産しているが、ネイマールの今シーズンも楽しみが増大すると感じた。

 そのネイマールもかつて出場しながらタイトルを取れなかった大会が、コパ・サンパウロ・ジ・ジュニオール(通称、コピーニャ、Copinha, Copa São Paulo de Futebol Junior)。今回で44回目の開催となったU-19の大会である。今回はブラジル全土から100のクラブが参加し、14日から125日まで、サンパウロ州内の25を超える会場で行われた。世界中からスカウトが集まり、逸材はブラジル代表選手となり得る大会である。

 コピーニャは、100チームを25のグループに分けて、1回戦総当たりの予選リーグを行う。各グループの首位チームと各グループで成績の良い7チームが、32チームで競う決勝トーナメントに進出した。優勝するためには、8試合戦わなければならない。

 準決勝で、ヒーローが誕生した。パウメイラスに3-2で勝利したサントスFCのネイウトン(Neilton Meira Mestzk)1994217日生まれの18才。ネイウトンは、この試合のサントスFCのすべての得点を挙げてハットトリックを成し遂げた。予選リーグではベンチにいて起用される機会はなかったが、センセーショナルなパフォーマンスを魅せて、一気にヒーローとなった。

 ネイウトンは、166cm57kgとネイマールよりも小柄。しかし、髪型や風貌は、ネイマールとそっくり。スピード、ドリブル、テクニック、決定力などすべてが、サポーターやメディアに、ネイマールのクローンと印象付けた。ネイウトンは、髪型だけしか似てないと謙虚であるが、これからが楽しみな選手が出現してきた。すぐさま、トップチームで試合に出場は叶わないかもしれないが、多くの注視を集めている。

 コピーニャは、有望な若手の登竜門である。ネイマールも、そして、多くの代表選手もこの年代で、この大会で注目をされた。決勝は、サンパウロ市が1554年に創設された125日。サントスFCのサポーター、サンティスタ(Santista)は、25,000人以上も詰めかけてパカエンブーで行われた。もうひとつのファィナリスト、ゴイアスのGMは友人のカッシウス・ハットマン、残念ながら、初優勝という夢は友人に届かず、サントスFC1984年以来の2度目のタイトルを獲得した。パカエンブー・スタジアムには、最強のサポーターとして、ネイマール自身も参戦した。ネイウトンは決勝でも得点しチームを優勝に導いたが、タイトルを獲得したジュニオールの後輩の選手達と同じようにネイマールは歓喜していた。ネイマールの活躍と並行して、ネイマールのクローンと称されたネイウトンも楽しみな存在である。

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「メッシのいとこがブラジルに復帰」

2013/01/15(火)

 楽しみにしていた高校サッカー選手権決勝が、降雪のために順延された。降雪で思い出される試合は数々あるが、とりわけ、1980年代後半の日本サッカーリーグの試合が思い出された。秋春制のシーズンをテスト的に行っていた時、3月の中旬、読売サッカークラブと日産自動車のリーグ戦が、今回と同様、国立競技場で行われる予定であった。

 日本テレビが生中継することも決定していて、入場券を非常に多く売れていた。午後2時キックオフの試合であったが、今回同様、ボールが転がらなくて試合にならないと判断して順延した。読売クラブの与那城ジョージ監督、日産自動車の加茂周監督とも協議して順延を決定したのが、キックオフ40分前であったことも思い出された。

 翌日、150人を超える人々で、雪かきを行ったが、ピッチ内だけではなくスタンドを含めて競技場の隅々の除雪は大変であった。順延されてしまった試合は、予想された観客数を多く下回った苦い体験をした。

 鵬翔と京都橘の選手たちにとっては、怪我の功名、メンタルな面でのリセットは難しいものの、疲労回復と怪我を抱えている選手もいることから、充分な時間を取れたことに好試合を期待できると思っている。

 順延された19日、時差はあるものの、ブラジルでは2013シーズンに突入する。形態の違いはあるものの、27州で州リーグやカップが始まる。近年、経済成長や好条件で契約するスポンサーが増えて、各クラブは強化に余念がない。そうした中で、多くのアルゼンチン選手がブラジルでのプレーをするようになった。

 フルミネンセで台頭したダリオ・コンカは、今、中国で高額な条件のもとプレーしている。クルゼイロでプレーしていたワルテル・モンティージョは各賞を獲得し、最も人気がありサポーターからの信頼を得ているが、ネイマールの相棒となるサントスFC10番を身につけることになった。そして、アルゼンチンの至宝のひとり、ホアン・ロマン・リメルケも、フルミネンセとアトレチコ・ミネイロからオファーを受けている。もしも、アトレチコ・ミネイロに加入すると、ホナウジィーニョ・ガウーショとチームメートになる。世界中を見渡しても強力なファンタジスティックな中盤が誕生する。

 一方、バイーア州のヴィットリア(EC Vitória)が、バルセロナFCのリオネル・メッシのいとこと契約した。ヴィットリアの関係者と話をしたら、明日、サルバドール市に到着してチームに合流するとのことである。マクシィ・ピアンクチィーニ(Maxi Biancucchi)28歳の小柄な攻撃的なプレーヤーである。2007年から2009年まで、フラメンゴでプレーした経験がある。アルゼンチンのサン・ロレンソで育ち、パラグアイでプロデビュー、同湖で6つのクラブ、メキシコでもプレーしていたが、今回、ブラジルに復帰することになった。いとこのメッシ程の決定力はないものの、スピードとテクニックは衆目の期待を集めている。ブラジルでは、昨今、ヨーロッパに移籍してしまう攻撃的な選手の代わりにアルゼンチン選手の獲得が盛んになっている。

 鵬翔と京都橘の決勝戦を楽しみにしつつ、同時期に始まるブラジルの新シーズンでのアルゼンチン選手のパフォーマンスにも興味が尽きない。

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